NEWS | プロダクト
14時間前
Photos by Yasuko Furukawa
小野直紀と山本侑樹が主宰するデザインスタジオ YOY(ヨイ)は、ミラノデザインウィーク2025において個展「DOTS by YOY」を開催。新作プロダクト「ANTS」および「CONSTELLATIONS」を発表した。
展覧会の表題にある「DOTS=点」とは、特定の位置を示す、複数を結びつけて形やイメージを描くなど、複雑な現象を単純化して理解するために用いられる極小の要素である。私たちは、身の回りのさまざまなものを「点」に見立て、その性質を表現してきた。今回の個展では、こうした「点」に着目し、概念と実体を交差させることで現れる機能や意味を認知するしくみについて考察している。
「ANTS」は、地球上でもっとも数の多い社会性生物のひとつである蟻を、人間の社会秩序を形成するのに不可欠な「時計の針」に見立てた作品。超高精細3Dプリンタで出力した実寸大の蟻のモデルを、磁石で動かす仕組みになっている。
蟻は、世界に2万種以上が生息するとされる。今回は、そのなかから特徴の異なる6種を選定。それぞれの分布地域である、ブラジルなどの南米、スペインなどの南ヨーロッパ、ケニアなどのサハラ以南のアフリカ、インドなどの南アジア、日本などの東アジア、オーストラリアなどオセアニアの時刻を6つの時計で示した。
一方、「CONSTELLATIONS」は、国際天文学連合(IAU)が発表している図をもとに、チップLEDを細い帯でつないだ立体基板によって星座を表現した照明作品だ。ペンダント照明には黄道十二星座を、置き型照明にはカシオペア座をかたどった光源を組み込んでいる。
かつて星座は、方角や季節を知るのに用いられ、文化的なアイデンティティを形成する役割も担っていた。これに対し現代においては、神秘の象徴やロマンチックな記号として扱われることが多い。今回の照明作品は、「星座」そのものではなく、「夜空から切り離され、記号化された星座」をモチーフとしている。