MEMBERSHIP | アート / 建築
2025.04.10 13:26
データサイエンティストの宮田裕章がプロデュースを担う「Better Co-Being(ベター コ・ビーイング)」シグネチャーパビリオンには、天井も壁もない建築空間にインタラクティブなアート作品が据えられる。「静けさの森」と隣り合い、緩やかなつながりを持たせるのも特徴だ。デジタルテクノロジーも活用した一連の作品を屋外空間で体感させる狙いとは。異色のパビリオンに込められた意図を紐解く。
ミラー膜で覆われた立方体を積み重ねた形で空や周辺ブースを映して溶け込んでいる。4つのキューブの正面は丸く凹み、内側にディスプレイを内蔵。中央キューブは三角を描くように裁断。ミラー膜はロボットアーム、低音スピーカー、アクチュエーター、そして風や雨などの自然の力で絶えず動き続けている。(建築デザイン:NOIZ)
壁も天井もないパビリオン
秘密のヴェールに包まれた空間へ、重い扉を開け、胸をたかぶらせて入館する。万博パビリオンにこうしたイメージを抱く読者も多いだろう。しかし、この「Better Co-Being」シグネチャーパビリオンには扉も、壁や天井すらない。ただ頭上には細い鉄骨のグリッドが薄雲のように広がり、はるか空を見通すことができる。