万博のシンボルをデザインする
――大屋根リングの意匠と思想

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場のシンボルである「大屋根リング」。世界最大の木造建築物という意欲的な挑戦とともに、万博そのものの精神的なよりどころとなる形も提示する。構想は会場デザインプロデューサーを務める藤本壮介だ。1970年の大阪万博では丹下健三が設計した「お祭り広場」がその精神的支柱を果たしたが、藤本は時代に応じてしなやかなリングでそれに応える。ただしそのシンプルなリングにはさまざまな思いが込められている。ここでは藤本にその思いを語ってもらった。

大屋根リング屋上からの風景。六甲山や明石海峡まで一望することができる。またすべての参加国・地域のパビリオンはリングの内側に配置される。

大規模木造を日本で実現したい

大阪市の最西端にある大阪北港に浮かぶ人工島、夢洲。大阪・関西万博の開催地であるこの島に、会場のシンボルとなる世界最大の木造建築物「大屋根リング」が完成した。設計監修は、会場デザインプロデューサーで建築家の藤本壮介だ。会場デザインの理念である「多様でありながら、ひとつ」を形にし、建築面積(水平投影面積)約61,000㎡、内径約615m、外径約675m、幅30m、高さ約12m(外側約20m)、そしてぐるりと一周すると約2,025m。これまで見たことのない規模の木造建築物として姿を現す。