デザインは社会とどう向き合うべきか?
JAGDAデザイン会議2025「Graphic Design Now」開催

キーヴィジュアル:鎌田順也

公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)は、2025年4月12日(土)・13日(日)の2日間、JAGDAデザイン会議2025「Graphic Design Now」を開催する。会場はインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ内)のほか、ライブ配信も行われる。

近年はデザインの対象が大きく広がり、社会のあらゆる領域に拡張している。そのなかで、グラフィックデザインはこれからの社会とどう向き合い、どのような存在感を示していくべきなのか。同会議はデザインについて深く考える場として、総勢28名のスピーカーとともに、デザインの機能や価値を多角的な視点で捉えながら、デザイナーの役割や専⾨性、職業倫理を社会に提案する。

4月12日(土) 10:30~19:15

初日の4月12日は、AIをはじめとする「テクノロジー」、デザイナーやデザインスキルの「教育」、安心して暮らせる社会を築くための「ケア」、オリンピックや万博といった国際イベントで求められる「公共」、ユーザーのアクセシビリティを考える「ワークショップ」をテーマにセッションを展開する。

「テクノロジー|AIとデザイン空間」久保田晃弘/橋本 麦/畑 ユリエ

AIの急速な発展に関するさまざまな言説が飛び交うなか、漠然とした期待や不安を抱いているデザイナーも少なくない。AIで世の中がどう変わるか、ではなく、AIでデザインをどうしたいのか。人とツールの関係を探求する実践者と研究者による、ビッグテックに翻弄されないためのセッション。

「教育|デザイン教育のこれから」伊藤直樹/菅 俊一/高田 唯

デザインの領域が多様化し、ビジネスや生活のあらゆる場面でデザイン的な思考が求められるなか、これからのデザイン教育はどこに向かうのか? デザイナーの育成やデザインスキルの習得だけにとどまらない、各世代におけるデザイン教育の実践を紹介。

「ケア|ケアとデザインの交わるところ」福岡南央子/森下静香/矢島進二

誰もが安心して暮らせる社会を築くために「ケア」の思想と実践は不可欠だ。ケアは相互的な関係であり、誰もがケアする/される立場となる。「ケア」の現場と思想から見えてくる、これからのデザイナーに求められる姿勢やより良いデザインのあり方とはどのようなものかを考える。

「公共|万博イヤーに考えるグラフィックデザインの公共性」色部義昭/野見山 桜/引地耕太

オリンピックや万博といった国際イベントにおいて、デザインが大きな役割を担い、数々のレガシーを残した時代があった。メディアやデザイナーの役割が大きく変わる今、グラフィックデザインの公共的な役割や意義を改めて問い直す。

「ワークショップ|アクセシビリティを考える」田中みゆき/辻 勝利

そのデザインのユーザーは誰か? 自分と異なる身体と感覚を持つ人のニーズを想像しているだろうか? 事業者やデザイナーが想定するユーザーの当たり前を問い直し、アクセシビリティの必要性と可能性、それを考えることの大切さを伝えるワークショップを考える。

4月13日(日) 10:30~19:00

2日目の4月13日は、デザインの力で新たな価値を見出す「地域」、循環型社会のためのデザインを読み解く「サステナビリティ」、何が良いデザインなのかを考える「評価」、国内外のデザイン事情を紹介する「世界」、そしてグラフィックデザインの現在と未来を展望する「クロージングトーク」と、多様な切り口からデザインを議論する。End

「地域|地域を変えるデザインの力」田村 大/新山直広/原 研哉

人口の増加や経済の成長が停滞し、社会のあり方が変化している今、地域に眠る資源を発見し、新たな価値を生み出すデザインの力が注目されている。「課題先進地」とも呼ばれる地域と協働するデザイナーが構想する、魅力的で豊かな社会を紹介する。

「サステナビリティ|循環型社会のためのデザイン」清水彩香/太刀川英輔/信藤洋二

世界的な環境破壊が進行する中、大量生産・大量消費される製品やサービスのデザイン、それを生み出すデザイナーの責任はどうあるべきか? 循環型社会のためのデザインを実践するデザイナーが、各々の取り組みや企業による先進的な事例、その根底にある思想や問題意識を紹介する。

「評価|デザインをどう評価するのか」上西祐理/川村真司/永井一史

社会や生活のあらゆるところに拡がり続けるデザインを、私たちはどのように評価すればいいのか? アワード受賞作だけが良いデザイン? 賞では何を評価しているのか? 国内外のアワードの審査などを通じて多くのデザインを見てきた経験豊富な登壇者たちと「良いデザイン」について考える。

「世界|世界のデザイン事情」田中友美子/丸山 新/室賀清徳

デザイン領域が拡張することで、グラフィックデザイナーの仕事はどこまで広がりを見せるのか? 海外でグラフィックにとどまらない領域の仕事をしてきたデザイナーと、国内外のグラフィックデザインの動向を追ってきた編集者が、世界のデザイン事情を紹介し、その可能性を探る。

「クロージングトーク|グラフィックデザインの現在・未来」上平崇仁/佐藤 卓

「デザイン」という言葉が氾濫する時代における「グラフィックデザイン」の役割とは? 「コ・デザイン」をキーワードにこれからのデザインの可能性を追求する研究者と、拡張するデザインの領域を横断しながら第一線で活躍し続けるデザイナーが、グラフィックデザインの現在と未来を展望する。

JAGDAデザイン会議2025「Graphic Design Now」

日時
2025年4月12日(土) 10:30~19:15
2025年4月13日(日) 10:30~19:00
形式・定員
・リアル会場:80名
・ライブ配信:500名
1日の参加費
・一般:会場3,000円、配信2,000円
・学生:会場1,500円、配信1,000円
・JAGDA正・賛助会員、フレンドメンバー:会場1,000円、配信 無料
※申し込みは下記URLより行うこと。
主催
公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)
会場
東京ミッドタウン・デザインハブ内「インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター」(東京都港区赤坂9丁目7−1)
詳細
https://gdn.jagda.or.jp/