基調対談:齋藤精一 × 永山祐子
共創の熱量が生む、万博のレガシー

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)がいよいよ開幕する。EXPO共創プログラムディレクターを務める齋藤精一は21年、デザインの視点から万博の意義や取り組むべき方向性を探るExpo Outcome Design Committee(EODC)を創設。EODCには建築家・永山祐子をはじめ各界から多彩な有識者が集結し、分野横断的に広い視野で議論が重ねられてきた。万博のコンセプト「People’s Living Lab(PLL:未来社会の実験場)」はどのように具現化されてきたのか。齋藤、永山両氏にバックヤードにおける奔走について聞いた。

中小ベンチャーのものづくりサポート
「Co-Design Challenge」プログラム

——EODCではいくつもの共創プロジェクトモデルを立ち上げられました。なかでも柱となる取り組みが「Co-Design Challenge」です。

齋藤 昔から僕のクリエイティブの手法は変わらないんですが、まずは問いをつくる。疑ってみる。「そもそも万博とは何ぞや」と。要は「どんな役割を果たすべきか?」ってことです。EODCではそんなシンプルですが本質的なテーマに立ち返り、改めて万博の意義・役割・アウトカムについてデザイン視点から精査しました。お忙しい皆さんに時間を割いていただきカンファレンスを重ねるなか、「コミュニケーションデザイン」「ルールデザイン」などなどミクロ視点からのニーズが浮かびあがる一方、マクロ視点で目標を掲げたいと考えたときに「産業を興隆させたい」という大きなモチベーションが生まれたんですね。日本のものづくりを支えているのは、約9割以上を占める中小企業やベンチャー企業です。R&Dにも果敢に取り組まれ、小規模ながらも独自のサステナブルな製品づくりを実践されています。せっかくなので、万博の会場を共創という精神のもとに優れたデザインの自社製品・サービスのプロモーションの場として活用していただこうと考えました。