MEMBERSHIP | 建築
2025.04.01 15:35
Photo by Junya Igarashi
私は、人生を動かす原動力は感動だと思っています。
名実ともに建築界のトップランナーとして世界を代表する建築家、安藤忠雄。1969年の事務所設立から半世紀を超え、独自の美学を持った建築と活動で世に新たな価値を生み出してきた。世界各地で大型プロジェクトを手がける一方で、「こども本の森」のような建築による社会貢献にも取り組み続ける。展覧会や講演会を通じてメッセージを発信し続けるその姿は既成の建築家像と一線を画す。なぜ世界は安藤建築を求め、安藤の言葉を求めるのか。国内外でのプロジェクトとともに、今、安藤が考えていること、そして人生哲学を聞いた。
安藤忠雄が見つめる建築の現在地
──2000年以来、2度目の表紙登場です。当時のインタビューでは建築と社会の距離が遠くなってしまったと答えていますが、現在はどのようにお感じでしょうか。
さらに遠のいたと感じます。その一方で、社会はますます経済に偏ってしまいました。その変化のスピードが激しすぎて、人が「面白いものを見つける感性」まで、退化してしまったように思います