広島・下瀬美術館の特別企画展
「周辺・開発・状況 -現代美術の事情と地勢-」開催

建築家の坂 茂が設計を手がけた広島県大竹市の下瀬美術館は、展覧会「周辺・開発・状況 -現代美術の事情と地勢-」を2025年4月26日(土)から7月21日(月・祝)まで開催。同館が2024年にユネスコ本部創設の建築賞「ベルサイユ賞」にて「世界で最も美しい美術館」を受賞したことを記念する現代美術展であり、美術家 齋藤恵汰がチーフキュレーターを務め、3名のコキュレーターと9名のアーティストが参加する。

企画展示室

可動展示室

開催にあたり齊藤は、同館の特徴のひとつである、瀬戸内の自然が映り込む長さ190m・高さ8.5mの「ミラーガラス・スクリーン」に着目し、そこに現れる美術館と周辺環境の一体化から思考を開始した。さらに、造船開発の技術を使った可動展示室や、美術館の向かいにある宮島を擁する立地状況を踏まえながら、同館がもつ「周辺」「開発」「状況」といったテーマに応答する展示を展開する。

展覧会のタイトルは、「environment」以外に多元的な意味をもつ日本語の「環境」という言葉からインスピレーションを得た。そこには、同館と宮島の関係をひとつの相似形と見立てると、広島県と瀬戸内海の関係や日本と東アジアの関係など、現代美術をめぐる「事情と地勢」を再考するヒントになるのではないか、という考えが込められている。

遠藤 薫「羊と眠る」2022年(出展作家作品イメージ)

Omyo Cho「Nudi Hallucination」, 2022(出展作家作品イメージ)

Zheng Tiny「We No Longer Remember How We Got Here」, 2022(出展作家作品イメージ)

MADARA MANJI「Alive #01」, 2024(出展作家作品イメージ)

Gerly Muhamad「Nothing loves you as much as death」, 2021_(出展作家作品イメージ)

4名の海外作家を含め参加するキュレーターやアーティストは、いずれも1980年〜2000年生まれの若手の表現者である。下瀬美術館というフロンティアを目の前にして、そこから生じる出来事や現場や状況に対して彼らはどのような作品を発表するのか。それは、これから世界へと羽ばたく彼らにとって、ひとつのチャレンジになる。End

展覧会「周辺・開発・状況 -現代美術の事情と地勢-」

会期
2025年4月26日(土)~7月21日(月・祝)
休館日
月曜日(祝日の場合は開館)
開館時間
9:30~17:00(入場は16:30まで)
出展作家
遠藤 薫、オミョウ・チョウ(韓国)、金 理有(キム・リユウ)、久木田大地、鄭 天依(ジェン・テンイ/中国)、鈴木 操、ソー・ユ・ノウェ(ミャンマー​​)、MADARA MANJI、ムハマド・ゲルリ(インドネシア)
企画
齋藤恵汰
共同企画
李 静文、根上陽子、松山孝法
会場
下瀬美術館(広島県大竹市晴海2丁目10-50)
詳細
https://simose-museum.jp/exhibition/post-1470/