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8時間前
ヤマハは、クラリネットやオーボエなどの木管楽器に使用される希少木材の未利用材を鍵盤に活用した、電子ピアノの新しいコンセプトモデル「TORCH『T01』」(トーチ ティーゼロワン)を発表した。
楽器製造において木材などの自然素材が欠かせない同社は、原産地域の森林保全や木材の有効活用、木材の新しい価値を引き出す製品開発など、さまざまな活動に取り組んでいる。このほど開発されたTORCH「T01」は、タンザニアやモザンビークといった東アフリカに分布する希少木材「グラナディラ(アフリカン・ブラックウッド)」を使用した特別な製品である。
この木材は楽器づくりに適する部分がわずかであるため、選別のなかで未利用材が発生していた。今回はこれを「木質流動成形技術」と呼ばれる加工技術を使って粉砕し、鍵盤に成形。木材と樹脂の複合素材であるものの、グラナディラを70%の高比率で含むことで、木のぬくもりを感じられる手触りを実現している。
グラナディラの未利用材を活用した黒い鍵盤。
さらに、グラナディラの吸湿性により、指が滑りにくく快適な弾き心地を提供。独特の黒い鍵盤は弾き込みの具合に応じて色が変わっていくほか、楽器本体に用いた木質ボードも設置する場所の温度によって色が変化するなど、使用するほどに味わい深くなる風合いを楽しめる。
演奏や手入れにより味わい深くなる経年変化。
ブランド名の「TORCH(たいまつ)」は、音や音楽を愛する人たちに楽器とともに過ごす時間のあたたかさを感じてほしい、楽器や音楽文化の灯(ともしび)となり未来を明るく照らしていきたい、という思いを込めて命名された。
なお、同製品は日本国内・20台限定での抽選販売を実施。特設サイトにて2025年3月31日(月)23:59まで応募を受付中である。また、2月19日から順次ヤマハ直営店などで現物の展示を開始している。