NEWS | 展覧会 / 工芸
2025.02.18 14:32
マーティン・ローチとアンナ・へリンガー
京都府京丹後市間人(たいざ)地区にて2020年に開始したプロジェクト「あしたの畑」は、同地区で展開する4つのアートサイトを2025年3月1日(土)から3月16日(日)まで期間限定で公開する。
「あしたの畑」は、食とアートを通して人が集い学ぶ場を生み出し、土地がもつ自然の財産に気づく機会を提供する集落構想プロジェクトである。京都市内と京丹後市間人地区を拠点にアート・工芸・建築・食の分野からなる集落環境を構築し、500年後の人々にとって誇りとなるような遺産をつくり出すことを目標としている。
これまでの活動では、古民家や織物工場を改修し、土壁や襖紙に地元の素材を使用した建築空間を展開。スタジオやギャラリーなどの4つの施設は、通常非公開だが年に数回の公開期間を設けており、国内外のアーティストの作品を展示している。
「TAIZA Tea House」
今回は、ドイツの建築家 アンナ・へリンガー(Anna Heringer)およびオーストリアの陶芸作家 マーティン・ローチ(Martin Rauch)との共同プロジェクトで、間人の土を用いた半屋外のアートインスタレーション「TAIZA Tea House」の構想を公開。再生(リジェネラティブ)デザインのアプローチを中心に据え、「再生的アートインスタレーションと文化的対話」をコンセプトとして、地域住民や学生たちとともに新しい「集落の集いの家」をつくり出す。
そのねらいは、この場所を通じて、間人の豊かな土や伝統的な版築の技法を用いた制作プロセス、地元の野花や薬草の栽培を学ぶことにある。そして、環境への影響を最小限に抑え、地球資源を回復し、再生を目指すとともに、植物・動物・人間が何千年もかけて育んできた土地の恵みを、持続可能な方法で未来の世代に伝えることだ。今回は、「TAIZA Tea House」の2025年夏の公開を目指して、ドローイングや模型を初展示する。
間人レジデンス
また、「間人レジデンス」は、クリエイターが深く思考し、新たな創造につながるレジデンスとしての活用を目指す場。COSMIC WONDERを主宰する現代美術家 AAWAAが、丹後の三坂神社墳墓群から出土した朱の土ー辰砂から触発された作品「丹」が発端となり、地区の古民家を三段階で改修している。2024年秋には「土の部屋」が誕生し、今回は新たに「紙の部屋」を紹介。丹後の土と植物で漉かれた和紙に同地の土の顔料を施した本作品は、眠りの部屋として丹後の自然と古代の営みに想像を巡らせる時間を提供する。
あしたの畑 2025春期
- 会期
- 2025年3月1日(土)~3月16日(日)
- 時間
- 11:00~17:00(最終入場 16:00) ※火・水曜休み
- 鑑賞料
- 1,000円(全会場共通)
※1時間ごとのツアー制/チケット購入URLから要事前申し込み。
※宮のあしたの畑は常時自由鑑賞無料。 - 会場
- 間人スタジオ、SEI TAIZA、間人レジデンス、宮のあしたの畑
(京都府京丹後市丹後町間人2854) - 詳細
- https://tomorrow-jp.org/program/2025spring/