「感性で環境を捉える」ウォーター・コーリング

京都の地下には、琵琶湖に匹敵する200億tもの水が存在する—。平安時代から続く京の都の文化は、豊富な地下水によって支えられてきたのではという研究がある。「京都水盆」と呼ばれるこの地下水の存在を示した研究に着想を得て、現在、フランスのデザイナー、イザベル・ダエロンらが取り組んでいるのが「ウォーター・コーリング」と名づけられたアートプロジェクトだ。地下に眠る古都独自の水循環システムとそこから生まれる人との関係を視覚的に表現している。

京都は水を含んだスポンジの上に立っている

東西12km、南北33kmに及ぶ京都盆地は、北を丹波山地(北山)に、東を比叡山と大文字山塊(東山)に、西を愛宕山と小塩山山塊(西山)に囲まれている。この盆地の地下には、古生層と呼ばれる最も固い地層が地下800mほどまでお椀状に広がっており、150〜500万年前に堆積した洪積層と約3万年前に堆積した沖積層を包んでいるのだという。