NEWS | 建築
2025.02.14 11:30
ロレックス・ラーニング・センター(スイス・ローザンヌ) © Alain Herzog
王立英国建築家協会(RIBA)は、建築家の妹島和世と西沢立衛が主宰する建築設計事務所 SANAAに、2025年のロイヤルゴールドメダルを授与すると発表した。これまでにプリツカ―賞などを受賞してきた日本の建築ユニットが、建築家に対する世界最高の賞をまたひとつ獲得した。
金沢21世紀美術館(金沢市)© SANAA
1995年に結成され、30年にわたり世界中でプロジェクトを展開してきたSANAA。金沢市の金沢21世紀美術館、ルーヴル美術館の別館「ルーヴル・ランス」、パリの百貨店「サマリテーヌ」、ニューヨークのニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート、スイス・ローザンヌのレマン湖岸にあるロレックスラーニングセンターなど、これまでに発表してきた革新的な建築は枚挙にいとまがない。
その特徴は、エレガントなラインを備えたミニマルな外観と、高い透明性により光を大胆に取り入れた明るく軽やかな屋内空間にある。また、彼らの建築は立地する環境や地元の文脈に対する深い考察にもとづいており、多様な人々を受け入れ、つながりを促す場所を生み出してきた。
ルーヴル・ランス(フランス・ランス)© SANAA
ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート(ニューヨーク)
サマリテーヌ(パリ) © SANAA
RIBAの会長を務める建築家 ムイワ・オキ(Muyiwa Oki)は、「SANAAは理論と実践を絶え間なく発展させ、控え目でありながらも大きな影響力をもって建築界を牽引してきました。そのデザインの数々は、建築が機能性とエレガンスを両立できることを証明しています」と、SANAAの仕事を高く評価した。
SANAA:妹島和世と西沢立衛 © Aiko Suzuki
今回の受賞に際してSANAAは、「私たちは常日頃から、建築は環境に変化をもたらし修復させるもの、私たちの住む場所や周囲の自然、そしてお互いを結びつけるものだと信じてきました。私たちが実践してきたのは、人々が集い、共に暮らし学ぶための新たな空間を提供することです。建築には常にチームワークが求められます。長年にわたりアイデアを育み、それを実現するために献身的に支えてくれたすべての人々に感謝いたします」とのコメントを寄せている。