NEWS | グラフィック / 建築
2025.02.17 10:17
グランドギャラリー 撮影:新津保建秀
横浜美術館は、3年を超える休館と改修を経て、2025年2月8日(土)に全館オープンを果たした。
1989年にオープンした同館は、これまでに展覧会を「みる」、市民や子どものためのアトリエで「つくる」、美術図書室で「まなぶ」という3つの経験を提供してきた。今回のリニューアルでは、丹下健三が設計した建物を受け継ぐとともに、グランドギャラリーと呼ばれる吹き抜けのエントランス空間を「じゆうエリア」として生まれ変わらせたほか、誰もが無料で楽しめる空間を拡充。什器やサインは、建築家 乾 久美子とグラフィックデザイナー 菊地敦己が手がけた。
グランドギャラリー © morinakayasuaki
「じゆうエリア」には、作品や建築を見ながら併設のカフェで購入した飲み物やおしゃべりを楽しめる「まるまるラウンジ」や、子どもが家族と一緒に遊べる「くつぬぎスポット」を新設。階段状の展示空間は、リラックスして彫刻作品を鑑賞できる場とした。ガラス張りの展示室など無料のギャラリーを新たに2か所設置したほか、オリジナルデザインのテーブルと椅子を配置した美術図書室では、アートにまつわる絵本・専門書をだれでも利用できる。
くつぬぎスポット 撮影:新津保建秀
まるまるラウンジ © morinakayasuaki
ひとりでいてもみんなでいても、自分の居場所になればという思いから、「まるまるラウンジ」には、さまざまな障がいのある人たちとのワークショップから生まれた、いろいろなサイズのテーブルと椅子を配置している。
御影石をふんだんに使ったグランドギャラリーのために、乾はこの石材からピンクなどの色を抽出してオリジナルの什器を制作。巨大な天窓から差し込む自然光のもとで和らいだ雰囲気を演出する。
一方で菊地は、既存のマークにある四角を同じ面積の丸にした新しいマークを制作。風通しのよさを感じさせる隙間のある組み合わせであり、もとの形が変化して開いていく様子を同館が目指すイメージと重ねた。また、タイポグラフィにも四角と丸を組み込み、違う形やイメージが同居しながら調和することを表現した。
横浜美術館
- リニューアルオープン
- 2025年2月8日(火)
- 開館時間
- 10:00~18:00(入館は17:30まで)
- 休館日
- 木曜日(ただし3月20日(木・祝)は開館)、3月21日(金)
- 所在地
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
- 詳細
- https://yokohama.art.museum/