光をあらゆる文脈から解放する
ネオン作家 福井和来の個展「在在」開催

ネオン作家 福井和来(ふくい・わく)の個展「在在(ザイザイ)」が、東京・神宮前のGallery Commonにて2025年2月23日(日)まで開催中。フルスケールの個展は2年ぶりであり、ネオンというメディウムを扱う作家としての新たな展開を披露する。

Waku Fukui.「像」形光. 2025. 10mm glass tubes, krypton gas, stainless steel, rubber sheet, wood. 1750 × 1100 × 600 mm. Courtesy of Gallery Common.

Waku Fukui.「像」形光. 2025. 10mm glass tubes, krypton gas, stainless steel, rubber sheet, wood. 1750 × 1100 × 600 mm.

ネオン職人として修業を積み、「光を自由にする」という新たなアプローチのもと、彫刻的な作品を手がけている福井。象徴や具象にとらわれず、光をあらゆる文脈から解放するための手段として、抽象性を追求した作品を制作している。

近年はそこに偶発性を取り入れた直感的な制作アプローチを導入。金属加工の技術を習得して人の手の痕跡が残る鉄製の基部をつくり出したほか、制作過程で気になったさまざまな素材やオブジェも自由に取り入れた。

Waku Fukui.「像」形光. 2025. 12mm glass tubes, argon gas, aluminum, stainless steel. 1130 × 2015 × 390 mm. Courtesy of Gallery Common.

Waku Fukui.「音」同. 2025. 12mm glass tubes, argon gas, aluminum, stainless steel. 2105 × 1045 × 950 mm Courtesy of Gallery Common.

Waku Fukui.「像」形光. 2025. 12mm glass tubes, argon gas, aluminum, stainless steel. 1130 × 2015 × 390 mm. Courtesy of Gallery Common.

こうして生まれたのが、波打つ金属板、スチールビーズ、垂れ下がる電気コード、そして金属に反射するネオンの光といった、有機的で不規則な形状である。その立体的構造にネオンライトが組み合わされることで、相乗効果を生み出している。さらに、感情を引き起こし、想像力を解放するためには欠かせない要素だと福井が挙げる音楽もそこに追加される。

展覧会のタイトル「在在」は、「いたるところ」という意味をもつ。ネオンライト、金属、ファウンド・オブジェクト、展示空間、音楽は、福井の手によりひとつの作品となり、「感動」を呼び起こす没入環境となるだろう。End

Waku Fukui 個展「在在」

会期
2025年1月25日(土)~2月23日(日)
開館時間
12:00~19:00
休館日
月曜・火曜
入館料
無料
会場
Gallery Common(東京都渋谷区神宮前5丁目39−6 B1F)
詳細
https://www.gallerycommon.com/ja/exhibitions/zaizai-waku-fukui