ルーツに向き合い精神的持続可能性を実現する
coconogaccoのファッション教育

ファッションデザイナーの山縣良和が主宰するプライベートスクール「coconogacco(ここのがっこう)」は、服飾の知識や技術を身につける学校ではない。ここで養うのは、「ファッションとは何か?」という問いを起点としたデザインクリエイション。その先は、精神的な持続可能性へとつながっている。発想と表現にフォーカスし、日本のファッション教育を再定義する山縣の思想とは。

ファッションの源流を辿る

2007年に自身のファッションレーベル「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」を立ち上げた山縣良和が、08年に開講したプライベートスクール「coconogacco」。ファッションをテーマとした実験と学びの場でありながら、知識や技術ではなく、表現やその元となる発想の育成に重きを置いている。創設の背景には、山縣の思想や経験がある。

ひとつは、ファッションにおける西欧の概念を理解すると同時に、アジアや日本で生まれた概念と向き合い、クリエイションする場をつくりたいとの考えだ。