「映像とは何か」を改めて考える
「恵比寿映像祭2025 Docs ―これはイメージです―」開催

2025年に総合開館30周年を迎える東京都写真美術館をメイン会場とする映像展「恵比寿映像祭2025 Docs ―これはイメージです―」が、2025年1月31日(金)から2月16日(日)まで都内各所で開催。「ドキュメント/ドキュメンタリーの再考」をコンセプトに、19世紀から現代までの多様な表現を紹介する。

斎藤英理《Social Circles》2023年

カウィータ・ヴァタナジャンクール《The Toilet》2020年
Courtesy of the artist and Nova Contemporary

「ドキュメント(document)」は、書類や文書のほか、言葉や写真・映像などのイメージをも含んだ「事実に基づく情報の記録」を意味する言葉だ。そこから派生した「ドキュメンタリー(documentary)」は、形容詞よりも「記録映画」を指す名詞として使われることが多い。

映画の発明から130年が経った現在では、誰もが写真や映像で生活の記録や共有を行う。写真は「画像」、映像は「動画」というデジタルデータへと拡張しており、事実とそれを表すイメージとの関係はより複雑かつ曖昧なものになりつつある。

そこで今回の映像祭では、国内外で活躍するアーティストを招いて、パフォーマンスや身体性と関連する作品群を展示・上映する。またライヴ、トーク、ワークショップなどのプログラムも交えて、言葉とイメージの問題を改めて考える。

トニー・コークス インスタレーション風景、2023-2024年(Dia Bridgehampton、ニューヨーク)Courtesy the artist, Dia Art Foundation, New York, and Greene Naftali, New York. Photo: Bill Jacobson Studio, New York[参考図版]

トニー・コークス《The Queen is Dead … Fragment 2》インスタレーション風景(ローマ現代美術館[MACRO])2021年 作家蔵 Courtesy the artist, Greene Naftali, New York, Hannah Hoffman, Los Angeles, and Electronic Arts Intermix, New York. Photo: Simon d’Exéa.[参考図版]

たとえば、アメリカのメディア・アーティスト トニー・コークスは、明るい色の画像を背景に、テキストや音楽を結びつけるなど、独自の視覚表現によって文化や歴史を再文脈化する。

小田香 新作《母との記録「働く手」》2025年

さらに、昨年度に決定したファイナリストの小田香、小森はるか、永田康祐、牧原依里の4名による新作も発表。個人的な体験から社会的な課題、歴史と現在の交錯、身体や空間のあり方まで、多彩なテーマを掘り下げる。End

総合開館30周年記念
恵比寿映像祭2025 「Docs ―これはイメージです―」

会期
2025年1月31日(金)~2月16日(日) 月曜休館
※コミッション・プロジェクト(3F展示室)のみ3月23日(日)まで。
時間
10:00~20:00(2月16日は18:00まで)
※2月18日~3月23日のコミッション・プロジェクト(3F展示室)は10:00~18:00(木・金は20:00まで)。
料金
入場無料 ※一部のプログラム(上映など)は有料。
会場
東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか
詳細
https://www.yebizo.com/jp/

小森はるか 新作《春、阿賀の岸辺にて》 2025年

永田康祐 新作《Fire in Water》制作中のスチル 2025年

牧原依里 新作《3つの時間》2025年