戸建て住宅を再考する展覧会
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」

東京・六本木の国立新美術館では、展覧会「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」が2025年3月19日(水)から6月30日(月)まで開催される。

藤井厚二 聴竹居 1928年 撮影: 古川泰造

現代の私たちにとって、居間やキッチンを間取りの中心に据え、家族の個室や快適な衛生設備を備えた戸建て住宅はありふれたものだ。しかし歴史的に見ると、戸建て住宅は戦後に核家族が主流となるにしたがって定着した比較的新しい住まいの形式である。

こうした戸建て住宅は、住む人の理想を色濃く反映するとともに、多様な暮らしのスタイルを生み出してきた。そこで同展では、1920年代から1970年代までの14邸を中心に、「衛生」「素材」「窓」「キッチン」「調度」「メディア」「ランドスケープ」という7つの観点から住まいに関する革新について再考する。

リナ・ボ・バルディ ガラスの家 1951年

広瀬鎌二 SH-1 1953年 撮影: 平山忠治

フランク・ゲーリー フランク&ベルタ・ゲーリー邸 1978年
Ⓒ Frank O. Gehry. Getty Research Institute, Los Angeles(2017.M.66)

取り上げる住宅は、ル・コルビュジエ「ヴィラ・ル・ラク」(1923)、ミース・ファン・デル・ローエ「トゥーゲントハット邸」(1930)、リナ・ボ・バルディ「ガラスの家」(1951)、フランク・ゲーリー「フランク&ベルタ・ゲーリー邸」(1978)、藤井厚二「聴竹居」(1928)、土浦亀城「土浦亀城邸」(1935)、菊竹清訓・菊竹紀枝「スカイハウス」(1958)など、多岐にわたる。これらの多くは建築家の自邸であり、新たな建築観を提案する実験場でもあった。

展示は、図面、模型、外観や内観の写真のほか、ミース・ファン・デル・ローエやリナ・ボ・バルディらが描いたドローイング、建築家が住まいとともにデザインした家具や生活道具、映像など、バラエティに富む。さらに、これらの住まいに合わせて制作された椅子や机、照明器具なども紹介する。

オットー・リンディッヒ《ココアポット》 1923年 炻器 宇都宮美術館

マルセル・ブロイヤー 《サイドチェア B32》 1928年 ミサワホーム株式会社 撮影: 立木圭之介

また、ミース・ファン・デル・ローエの未完のプロジェクト「ロー・ハウス」を原寸大で実現するほか、トークイベントや記念シンポジウムなどの関連イベントも行われる。End

リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s

会期
2025年3月19日(水)~2025年6月30日(月)
休館日
毎週火曜日
※ただし4月29日(火・祝)と5月6日(火・祝)は開館、5月7日(水)は休館。
開館時間
10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで。
※入場は閉館の30分前まで。
会場
国立新美術館 企画展示室1E・2E
(東京都港区六本木7-22-2)
詳細
https://living-modernity.jp/