山本 稜/Spicy Architectsが手がけた
「LIGHT UP COFFEE 下北沢店」

Photo by Kenta Hasegawa

東京を中心に店舗を展開するコーヒーショップ「LIGHT UP COFFEE(ライトアップコーヒー)」の下北沢店が、2024年10月にリニューアルオープンを果たした。店舗設計は、建築家 山本 稜が率いる Spicy Architectsが手がけた。

ライトアップコーヒー下北沢店は、訪れた人が日常の延長線上にある非日常を感じる場所として誕生。Spicy Architectsはこれを実現するため、建築的な操作を可能な限り抑え、家具の設えや配置だけでコーヒー体験を豊かにすることを目指した。

2つの道路に面して隅切られた角地に、台形の平面の建物を構える立地で、今回のリニューアルでは、カウンターテーブルを1階中央に設置することで、バリスタがコーヒーを淹れる工程を間近に眺めながら、コミュニケーションを楽しめる空間が生まれた。

さらに、カウンターテーブルを斜めに配置することで、道路に面した3面のガラスの開口から街の賑わいを感じられるようにした。また、飾らないフラットなコミュニケーションを表現するため、カウンターと厨房には同じ構造用合板を用いている。

明るく活発な空間である1階とは対照的に、2階にはコーヒーに集中できる落ち着いた空間を計画。元の店舗は1階に客席2席と焙煎所があり、2階は倉庫として使われていたが、今回のリニューアルでは2階も客席にして計17席を確保した。

ライトアップコーヒーはクラフトマンシップをベースとしており、生産から抽出までのすべての工程で手作業の技術とこだわりが光る。これに応えるべく、2階中央に配置された大テーブルは漆塗りの技術を活かした艶塗装で製作。ラテのようなグラデーションを備えた、アート作品のごとく美しいテーブルができあがった。

店内空間やそこに置かれたカップがこのテーブルに反射することで、特別なコーヒー体験を演出している。また壁には、デザインスタジオ POINT代表でアーティストの長岡 勉がブランドのコンセプトとカラーから着想・制作したアート作品が飾られている。End

LIGHT UP COFFEE 下北沢

所在地
東京都世田谷区代田2丁目29-12
設計
Spicy Architects(山本 稜/大澤さな子)
アート
長岡 勉
延床面積
44m²(1F_22m²/2F_22m²)
竣工
2024年10月
詳細
https://lightupcoffee.com/