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2024.12.27 11:01
英国のインターナショナルスクール「North London Collegiate School Kobe(NLCS Kobe)」は、2028年に神戸市灘区の国立公園・六甲山にて校舎を新設する。同校はこのほど、新校舎のイメージパースと設計コンセプトを公開した。
NLCS Kobeは2025年、神戸市東灘区六甲アイランドにあるAsia One Centerにて小中学校を開校する。これに続き、六甲山に校舎を新設して、中高一貫のボーディングスクールを開校。2028年から2030年にかけて、プリスクール・小学部の校舎の移転も計画している。
イタリアの建築家 ミケーレ・デ・ルッキが率いる学際的スタジオ AMDL CIRCLEが設計を手がける新校舎は、神戸港と神戸市を見下ろす緑豊かな丘陵地帯に立地。密集した都市とはまったく異なる自然環境のなかで、生徒たちに学習に取り組む場を提供する。
コンセプトには「森と共存する校舎」を掲げ、「自然と美しさ」「健康とマインドフルネス」「帰属意識とコミュニティ意識」「創造文化とのつながり」という4つの基本原則に基づいて設計。床は木の色を活かした寄木細工、壁は自然をイメージしたナチュラルカラーを採用するなど、六甲山という場所にふさわしい室内空間を実現する。
ミケーレ・デ・ルッキは、「六甲山という自然豊かな場所では、子どもも教師も建物も自然と共存します。六甲山から景色を眺めるように物事を俯瞰で見ることを体感し、自分の問題や自分の世界に閉じこもるのではなく、客観的に見ることを学んでほしいです。そうすることで、人種の違いや性格の違いなど、世の中にあるさまざまな問題を超えて、遠くを見据える価値観が無意識のうちに備わっていくと思っています」と新校舎の設計に向けた想いを語っている。
また、「子どもたちが集まって遊べる場所やおしゃべりを楽しめる場所をつくり、『人間は一人では生きていけない』ということを感じてもらいたいです。こうした場所を通じて子どもたちは社会性を育み、協力することの大切さを学んでいくと考えています」と、自身が設計した建築での生徒たちの学習に期待を込めている。