大阪・関西万博 日本館「ファクトリーエリア」が公開
日本ならではの「循環型ものづくり」を紹介

日本館 提供:経済産業省

2025年4月に開幕する大阪・関西万博では、経済産業省が日本政府館(日本館)を出展する。「いのちと、いのちの、あいだに」をテーマとしており、その展示内容が続々と発表されている。

同館は、微生物の働きによってごみが分解され、あらゆるいのちの源である水へと姿を変える「プラントエリア」、藻類の力と日本が誇るカーボンリサイクル技術により、ものづくりの素材が生まれる「ファームエリア」、日本が培ってきた伝統的なものづくりと、これを受け継ぐ持続可能なプロダクトを紹介する「ファクトリーエリア」の3エリアを展開する。

ごみから水へ、水から素材へ、素材からものへ「循環」を3つのエリアで表現。
提供:経済産業省

藻類からスツールを生み出すファクトリー。
提供:経済産業省

制作されるスツール。
提供:経済産業省

今回は、展示内容の第2弾として、「『素材』から『もの』へ」をテーマに掲げ、日本の「ものづくり」に焦点を当てた「ファクトリーエリア」が公開された。

“やわらかく作る”日本のものづくりを紹介する展示コーナー。
提供:経済産業省

数百年以上前から現代にいたるまで、日本のものづくりが「やわらかい」構造を志向し、資源を無駄にせず修理や修繕を重ねて長く使いつづけるという「循環型ものづくり文化」を形成してきた。ドラえもんがナビゲートする同エリアでは、さまざまな製品や技術を、9つの切り口で紹介する。

たとえば、京都・木津川に架かる「流れ橋」(上津屋橋)は、増水した川の流れに耐えるのではなく、橋桁があえて部分的に壊れ、「流される」ことで橋全体にかかる負担を軽減する仕組みを採用している。こうした機能は、2024年1月に世界初のピンポイント月面着陸を行ったJAXAの小型月着陸実証機「SLIM」にも搭載。月面着陸時に脚部が「壊れる」ことで衝撃を吸収し、機体を確実に着陸させられる構造を実現した。

「流れ橋」と小型月着陸実証機SLIMの展示。
提供:経済産業省

このように、日本のものづくりの精神は、時代を超えて受け継がれ、現代の最先端技術にも使われている。同館では、伝統と革新が融合した多様なプロダクトを楽しむことができるだろう。End

日本館 提供:経済産業省