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14時間前
海老塚啓太(建築家・デザイナー)、桝永絵理子(建築家)、中森大樹(工業デザイナー)によるデザインチーム AATISMOが、大谷石を用いたインスタレーション「ドルメン(Dolmen)」を2024年11月27日(水)から12月1日(日)まで開催されたDESIGN TIDE TOKYOで発表した。
大谷石は、栃木県宇都宮市の北西部・大谷町で採れる軽石凝灰岩である。今から約1,500万年前の火山活動で火山灰や軽石が堆積し、500万年ほどをかけて凝固することで生み出される。
この石の特徴のひとつは、「ミソ」と呼ばれる茶色い斑点にある。ただ、ミソの風化によってできた空洞が多いものや、ミソ部分が広いものは敬遠されやすく、建築資材として使用されないこともある。
そこでAATISMOは、未使用材となった大谷石の空洞を鮮やかな青色の水性樹脂で埋めて大地がつくり出したさまざまな形を鮮明にすることで、これまでの大谷石のイメージを変えるような新しい素材をつくり出すことに挑戦した。
空洞が大きいほど、樹脂で埋めた形は美しく浮かび上がる。よく見ると、その表面は水をたたえた複雑な地形にも感じられる。それはまるで失われた地球の記憶が蘇り、その姿を再び現したモニュメントのようだ。それゆえ作品のタイトルは、存在理由を失ってもなお立ち続ける巨石文明の遺構=「ドルメン」と名付けられている。
また、同プロジェクトにより、これまでの大谷石がもつレトロな印象が一新され、なおかつ脆くて壊れやすい石の強度も増している。これまでよりも色鮮やかになり、薄くしても使用できるため、今後はプロダクトや家具、内外装の建材など、さまざまな場面での活用が期待されている。