NEWS | インテリア
2024.12.17 12:00
京都市下京区にある「末富 青久 カフェスタンド」は、1893年創業の老舗京菓子司「末富(すえとみ)」がプロデュースするテイクアウト専門のコーヒースタンドをオープン。店舗設計は、建築家 田中亮平が率いるG ARCHITECTS STUDIOが手がけた。
店舗は、周囲にホテルやオフィスビルが立ち並ぶ烏丸通り沿いに位置する。交差点に建つ木造2階建ての店舗の下屋部分に入居している。店内の奥行はわずか1mほどしかなく、大通りからは見過ごしてしまいそうなほどのささやかな店構えだ。
奥行が浅いため、店内は厨房と休憩スペースを前面道路に並行して配置。小さい店舗に人を誘う立体的な「看板」のような、グラフィックデザインと建築の中間的な設計を目指した。
内装や外装は、末富のこれまでの歴史や伝統、さらにはブランドカラーの「末富ブルー」などから着想した銅の腐食による緑青で仕上げた。徒歩1分の場所には末富本店があり、大通りから本店へと向かうゲートウェイとして「末富 青久 カフェスタンド」のカラーを計画。交差点の角と休憩スペースの2カ所に、アイキャッチとなる緑青の水色を配置している。
この水色の作成については、壁面に銅箔テープを貼り付け、醤油と薬剤を使い分けて酸化させることで、銅の経年変化を化学的に表現。「初心(青々しさ)を忘れずに、永久に挑戦を続けていく」という思いを込めた「青久」の店舗名にふさわしく、なおかつ厳しい景観条例のある京都の街に馴染む自然素材としてのカラーが生まれた。
末富 青久 カフェスタンド
- 所在地
- 京都市下京区松原通室町東入玉津島町319
- 詳細
- https://aoq.jp/