長岡 勉/POINTと山本稜/Spicy Architectsの共同設計
矢橋大理石のショールーム「いしみらいラボ」

写真:長谷川健太

岐阜県大垣市に本社を置く創業1901年の建築石材会社 矢橋大理石は、東京都文京区千石に新しいショールーム「いしみらいラボ」をオープンした。内装利用に特化して開発した軽量大理石パネル「uni Marble Panel(ユニマーブルパネル)」を展示するためのショールームで、建築家 長岡 勉が代表を務めるPOINTと建築家 山本 稜が率いるSpicy Architectsが共同で設計を手がけた。

「いしみらいラボ」は、商品を見るだけでなく、石の魅力を新たに発見する場になってほしいという思いを込めて命名された。利用者は石や建材を自由に組み替えながら、大理石が綺麗に見える空間を検証することができる。

内部には、素材感やトーンの異なる4つのベースカラー(ブラック、グレー、ベージュ、赤茶)で仕上げた「コーディネートブース」を設置。それぞれのトーンと合わせて大理石を組み合わせられるように、14種類のユニマーブルパネルのサンプルを用意している。専用のブラケットにより、各パネルは壁面や家具モジュールとの着脱が容易にできる。

また、多様な組み合わせを検討できるよう、木材や金属など、石以外の素材サンプルも備えている。中央のミーティングテーブルを囲う椅子などの置き家具も、木材やアルミ、コルク、プラスチックなど、あえて異なる素材・色調のものを配した。照明も色温度・強度が制御可能であり、求める空間により近い環境をしやすくなっている。

建築のなかで石をどのように魅力的に使うのか、その答えを提供することを目指す「いしみらいラボ」。施主、設計者、施工者のそれぞれが対話を通じて、理想の空間づくりを確かめられる場所になるだろう。End

矢橋大理石 いしみらいラボ

所在地
東京都文京区千石2丁目7-1
内装・家具設計
株式会社POINT + Spicy Architects
竣工
2024年7月
詳細
https://www.yabashi-marble.co.jp/stone/column/1724400842-122638