長坂 常/スキーマ建築計画による公園と一体になる空間
「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」

Photos by Takumi Ota

都心に近く、海に面した開放的な場所である東京都江東区の豊洲公園に、ブルーボトルコーヒーの新店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」が2024年8月にオープンした。創業者 ジェームス・フリーマンが創業時より大切にするブランドのフィロソフィー、「Everyone is welcome, we welcome everyone.(誰もがお互いを歓迎する)」に通じる「ボーダーレス」をコンセプトにしている。

同店の設計を担当したのは、建築家の長坂 常が率いるスキーマ建築計画。内と外がゆるやかにつながり、公園全体がカフェに感じられるような空間構成を目指した。

建物は、オープンな公園になじむように複数の小屋が集まる構成。さらに、公園内にある既存のベンチや芝生、階段などを客席と捉え、これらとカフェがゆるやかにつながるように、屋外と屋内のあいだに大きな軒下と半屋外スペースを設けることで、四方から自由にアクセスできる店舗が生まれた。

また、あたたかみのあるレンガの床を屋内外に敷き詰め、境界を感じさせないように工夫した。上部はFRP(繊維強化プラスチック)で覆っているため、空間全体に柔らかな光が差し込み、屋内外をシームレスにつないでいる。アイレベルではガラスを多用して、海への視界を遮らないように計画した。

カフェスペースは、異なるボリュームの組み合わせから生まれた天井高さの違いを活用し、さまざまなコーヒーブレイクのシーンに対応。低く小さめのカフェ1にはラウンジチェアを置き、海や公園を眺め、ゆったりできるように配慮した。これに対し、高い天井のカフェ2にはハイテーブルやコミュニティテーブルを設置しており、豊かなコミュニケーションを促してくれる。End

ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ

住所
東京都江東区豊洲2-3-6 豊洲公園内
営業時間
月~日 8:00-19:00
座席
店内:24席、半屋外:40席
詳細
https://store.bluebottlecoffee.jp/pages/toyosupark