展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—
ピュシスについて」がアーティゾン美術館で開催中

毛利悠子《Piano Solo: Belle-Île》のためのスケッチ、2024年

東京・京橋のアーティゾン美術館では、展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」が2025年2月9日(日)まで開催中だ。

「ジャム・セッション」展は、同館の中心となる石橋財団コレクションとアーティストのコラボレーションを紹介するものである。2020年の開館より毎年開催しており、5回目となる今回は、国際的なアートシーンで注目を集めるアーティスト 毛利悠子を迎える。

毛利悠子《Calls》2013年—、「MEDIA/ART KITCHEN—ユーモアと遊びの政治学」展示風景、2014年、国際芸術センター青森 
Photo by Kuniya Oyamada

毛利悠子《めくる装置、3つのヴェール》2018年—、「キュレトリアル・スタディズ12: 泉/Fountain 1917–2017 Case5:散種by 毛利悠子」展示風景、2018年、京都国立近代美術館 
Photo by Yuki Moriya

インスタレーションや彫刻を得意とする毛利は、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間に潜在的にある流れや変化することがらに形を与え、観る人の新たな知覚を開く試みを展開している。

タイトルにある「ピュシス」は、「自然」や「本性」と訳される古代ギリシア語。初期ギリシア哲学では、「万物の始原=原理とはなにか」という根源的な問いを生み出した「ピュシス」が中心的な考察対象となっていた。

こうした考察は、生成や変化、消滅といった運動に本性を見いだす哲学者たちの思索として、断片的ながらも今日まで伝えられている。そして、世界をたえず変化するみずみずしい動静として捉える彼らの姿勢は、毛利の創作活動とも重なり合うところが多い。

毛利悠子《Pleated Image》2016年—

今回は国内初の大規模展覧会として、作家の視点で選ばれた石橋財団コレクションと同氏の旧作・新作を並べて披露する。毛利が手がけるここでしか体感できない微細な音や動き、さらにはこれらで満たされた静謐かつ有機的な空間を楽しめるまたとない機会だ。End

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて

会期
2024年11月2日(土)~2025年2月9日(日)
開館時間
10:00~18:00
※毎週金曜日は20:00まで。
※入館は閉館の30分前まで。
休館日
月曜日、12月28日(金)~1月3日(金)、1月14日(火)
※1月13日(月・祝)は開館。
会場
アーティゾン美術館(東京都中央区京橋1-7-2)
詳細
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/js_mohriyuko/