NEWS | インテリア / 展覧会
2024.11.06 10:00
静岡市葵区にある静岡市美術館は、インテリアデザイナー 倉俣史朗(1934-1991)の活動にフォーカスした展覧会「Shizubi Research+ 倉俣史朗と静岡」を、2024年11月6日(水)から12月15日(日)まで開催する。
戦後日本を代表するデザイナーである倉俣は、戦時中に県東部の旧・愛鷹村(あしたかむら、現・沼津市)に疎開していたことがあり、キャリアをスタートさせた1960年代半ばから1980年代にかけては県内で数多くの商業空間を手がけるなど、静岡と深いつながりがある。
たとえば静岡駅前では、トンボヤ(1966、70)、タカラ堂(1965、69、70、71、89)、COMBLÉ(1988)などを設計。なかでも天井の曲面と柔らかな色彩が印象的なCOMBLÉは、倉俣ならではの空間が体感できる数少ない現存例である(一部は改装済)。また、静岡市が1988年に主催した「家具産地イメージアップ事業」では、倉俣と静岡の職人がオリジナルのイスとテーブルを共同制作している。
こうした経緯を踏まえて、「Shizubi Research+」と題し、従来の完成した作品を展示する展覧会とは違った視点での試みを企画。作家と静岡のつながりを中心に、関係者や研究者、地域の人から聞き取りを行うなど、同館が行ったリサーチや研究を紹介する。
昨年よりプレ企画が始まり、パネル展示やCOMBLÉでのトークイベントなどを開催してきた。また、今はなき店舗の所在地や内装などは不明な点が多いことから、倉俣の静岡での仕事に関する情報を広く募集してきた。
これらの活動を経て、今回は「家具産地イメージアップ事業」で制作された、静岡市が収蔵する椅子5脚や、これまでの調査で発見された新たな図面や写真資料など、アーカイブ資料を展示する。また、倉俣の静岡での足跡をまとめた記録集も2025年3月末に発行。倉俣が携わった仕事だけでなく、COMBLÉをはじめとする同氏のデザインが残る静岡の街をも体験できる、貴重な展覧会となる。
Shizubi Research+ 倉俣史朗と静岡
- 会期
- 2024年11月6日(水)~12月15日(日) 10:00~19:00
- 休館日
- 月曜休館
※11月9日(土)、12月7日(土)ほか、他イベント実施時は閉室。 - 観覧料
- 無料
- 会場
- 静岡市美術館 多目的室
(静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3階) - 詳細
- https://shizubi.jp/event/9957/