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10時間前
イギリスのスポーツカーブランド ロータス(Lotus)は、「デジタル」「ナチュラル」「アナログ」の3要素をデザイン原理としたコンセプトカー「セオリー 1(Theory 1)」を先ごろ発表した。搭載されるテクノロジーの数々は、今後数年のうちに同社の自動車に実装される見通しだ。
このコンセプトカーは、同社の76年にわたるエンジニアリングの成果に、インテリジェントで直感的な没入型のデジタル技術を組み合わせ、そこにドライバーのニーズを重視した人間中心の設計を調和させるという、新たな試みを体現したもの。
シンプルな外観は、スポーツカーブランドとしての遺産を受け継ぎ、「タイプ72」「エスプリ」「イレブン」という3つのモデルからインスピレーションを得た。インテリアは中央に運転席、後部座席には2名の3シートを採用。容易に乗り込めるように、ドアの開閉は後方に跳ね上がるようなユニークな機構とした。
運転の中心を担うのは、搭乗者の感覚を呼び覚まし、なおかつ道路状況にも反応する没入型システム「LOTUSWEAR™」である。ステアリングホイールには柔らかく軽量のウェアラブルロボット用生地を使用しており、内蔵の膨張式ポッドがリアルタイムで反応して、曲がるタイミングなどをドライバーに伝達する。
ヘッドレストは格子状に3Dプリントされた軽量のもので、オーディオブランドのKEFと共同で開発したオーディオシステムを搭載。臨場感あふれるサウンドを楽しむ、ノイズキャンセリング機能を使って集中力を高めるなどの体験ができる。
さらに、有機ELディスプレイを介して、ドライバーや同乗者、さらには周囲の歩行者にまでも車両の状態を発信。レーダーやカメラにより、視界の悪い状況下でも車両から200mの範囲で全方向の障害物を検出してくれる。
また、素材については、一般的な自動車では精度の高い曲面「クラスAサーフェス」を実現するため、およそ100種類の素材が使われるが、「セオリー 1」ではリサイクルアルミやリサイクルゴムなど、軽量かつ高性能で持続可能な10種類の素材のみを使用する「チャレンジ・オブ・10」を掲げる。これは、循環型経済の達成に向けた取り組みであるとともに、ロータスのミニマリズム、構造のシンプルさ、車両の軽量化へのこだわりを示している。