最近「刺激」というワードが気になります。
AIの進歩が凄まじく、検索やデータ整理などさまざまな場面でAIを活用する機会が増えました。一方で、仕事のツールとして使用するだけでなく、自分の考えを客観的に確かめたいときなどにAIを使う人も増えている気がします。確かめ算的に聞いてみると思いもよらない回答が返ってくることも多く、効率や便利さとは違う新しい楽しさ(刺激)によって高揚感を与えてくれる存在にもなっているように感じます。
刺激によって高揚感を得るといえば、美容界においてもブームが起きています。
主成分にカプサイシンやメントールを含んだリッププランパーやマイクロレベルの針を刺すマイクロニードルパッチなど、刺激を与えて肌や唇に張りと潤いを与えるスキンケアなどが代表例です。針を刺すスキンケアについては、刺激をあえて与えて肌細胞の深部へ有効成分を届けられるため、痛みを我慢することで得られる効果が楽しみといった声も聞きます。「刺激」は痛みや恐怖を感じる存在から、楽しみを感じるものへと変化しているのかもしれません。
刺激といえば、口臭ケアなどで用いるミント錠菓「FRISK(フリスク)」を知っているひとは、多いのではないでしょうか。フリスク自体は、ミントによる刺激と爽快感が口内をリフレッシュしてくれる商品ですが、その刺激を新感覚の炭酸飲料として発売した「FRISK SPARKLING(フリスクスパークリング)」が、このほど販売されました。味については賛否両論あるようですが、ミントと炭酸による独特の刺激が面白く、その新規性が評価されているようです。
また、ほかにもアイスやグミ、ラムネといった身近なスイーツでも刺激を盛り込んだ商品を見つけることができます。柔らかい素材と硬い素材がミックスされているもの、ラムネからガムへと食べ始めと終わりで変化が楽しめるものなど、従来のものとうまく刺激を掛け合わせることで食感や味覚に新しい感覚を与えているようです。
ではなぜ刺激が求められているのでしょうか。
その背景には、必ずしも求めているとおりの答えが返ってこなくても、それを楽しんだり、更にはそれを活かすことで想像以上の結果を出すことができたり、いい意味で予想を裏切るということに価値が生まれてきていることがあると思います。私たちも価値観を刺激できるようなモノづくりを心がけていきたいです。