建築が種になり、使い終われば森になる
竹中工務店の「森になる建築」が大阪万博で公開

2025年4月に開幕する大阪・関西万博において、竹中工務店は「森になる建築」を公開する。同社が2021年より開発を進めてきた「Seeds Paper Pavilion(シーズペーパーパビリオン)」を、未来社会ショーケース事業出展(グリーン万博)向けに提供するもので、来場者が休憩などに使える仮設の建築物として会場内に設置される。

「Seeds Paper Pavilion」は、2020年から2021年にかけて行われた、同社のグループ従業員を対象に実施した提案コンペで選ばれたもの。

使い終わると廃棄物になるのではなく、建築自体が種となり、使い終わったら草木が生え、やがて森になるという未来の建築がコンセプト。最先端の3Dプリント技術と手づくりを融合させてつくる建築で、パビリオンの構造材には生分解可能な植物由来の樹脂を使用している。

一方、仕上げ材には、子どもたちが草木の種を紙にすきこんで手づくりしており、これを構造体に貼り付けることで完成する。使いながら直す、水をやるといったこともみんなで行い、季節による植物の変化を楽しむことができる。

大阪・関西万博では「森になる建築」の名称で、直径4.65m、高さ2.95mの建築物2棟が登場する。生分解性があり、透明性のあるダイセルの酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」を材料として3Dプリントした構造材に、各種イベントで作成した手すきの和紙や植物などを外装材として貼り付ける。会場では、生分解性樹脂を3Dプリントしてつくる世界最大級の建築物が少しずつ森になる姿を想像しながら体験してみたい。End