人間国宝 染織家の生誕100年を記念する
展覧会「 志村ふくみ展 色と言葉のつむぎおり」開催

志村ふくみ《光の湖》1991年 京都国立近代美術館蔵

滋賀県立美術館では、染織家 志村ふくみの展覧会「生誕100年記念 人間国宝 志村ふくみ展 色と言葉のつむぎおり」が、2024年11月17日(日)まで開催中である。

1924年生まれの志村ふくみは、滋賀県近江八幡市の出身。30代で実母の影響により染織家を志し、植物染料による彩り豊かな染めと、紬糸(節のある絹糸)を用いた紬織に出会う。特定の師をもたず、自らの信念を頼りに染織の道を邁進。生命力あふれる色の表現や、文学や哲学といった多彩な芸術分野への探究心に培われた独自の作風が評価され、1990年には紬織の人間国宝に認定されている。

志村ふくみ《鈴虫》1959年 滋賀県立美術館蔵

志村ふくみ《梔子熨斗目》1970年 滋賀県立美術館蔵

志村ふくみ《夕顔》2003年 滋賀県立美術館蔵

故郷・滋賀で行われる今回の展覧会は、国内屈指の規模を誇る同館収蔵の志村作品、館外の収蔵作品や作家ゆかりの資料などを合わせて80点以上を紹介。初期から近年までの歩みをたどるとともに、ライフワークである「源氏物語シリーズ」や、心のルーツであり、制作において重要な位置を占める滋賀をテーマにした作品を披露する。

また、第10回大佛次郎賞を受賞した初の著作「一色一生」(1982)をはじめ、染めや織りの仕事と並行して20冊以上の著作を刊行するなど、染織作品や故郷、仕事への思いを言葉で紡ぐ随筆家としての活動にも注目。

そのほか、展覧会の最後には、鑑賞者がいつでも楽しめるワークショップコーナーを設置。関連イベントとして、志村ふくみの娘である染織家 志村洋子を迎えて、対談形式の講演会「志村ふくみ―心熱く本を編む」を10月20日(日)に行うほか、さまざまな年代を対象としたワークショップも行われる。End

生誕100年記念 人間国宝 志村ふくみ展 色と言葉のつむぎおり

会期
2024年10月8日(火)〜11月17日(日)
【前期】10月8日(火)~10月27日(日)
【後期】10月29日(火)~11月17日(日)
※会期中に展示替えを実施。
休館日
毎週月曜日(ただし祝休日の場合は開館し、翌日火曜日休館)
開館時間
9:30~17:00(入場は16:30まで)
会場
滋賀県立美術館 展示室3
(滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1)
詳細
https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/6275/

講演会「志村ふくみ―心熱く本を編む」

日時
2024年10月20日(日) 14:00~16:00
登壇者
志村洋子(染織家・随筆家、都機工房主宰)
三宅奈穂美(芸術書編集者・株式会社求龍堂エキスパート・エディター)
会場
滋賀県立美術館 木のホール
定員
150名
事前申込:100名、当日先着順:50名
※申し込みの詳細は下記のURLを参照。
申込期限
2024年10月10日(木)まで(事前申込分)
参加料
無料
詳細
https://www.shigamuseum.jp/events/8917/