グッチの歴史と現代への系譜をひもとく展覧会
「Gucci Cosmos」が京都市京セラ美術館にて開催中

Courtesy of GUCCI

イタリアのラグジュアリーブランド グッチによる展覧会「Gucci Cosmos」が、京都市京セラ美術館にて2024年12月1日(日)まで開催中。100年以上にわたるブランドのアイコニックなデザインの数々を展示する。

1921年にフィレンツェで創設し、長きにわたり築いてきたグッチの歴史をひもとく同展は、上海、ロンドンに続く、世界巡回展である。各会場ともに、イギリスのコンテンポラリーアーティスト エス・デヴリン(Es Devlin)が空間デザインを担当し、イタリアのファッション研究家・評論家のマリア・ルイーザ・フリーザ(Maria Luisa Frisa)がキュレーションを手がけている。今回の展示は、フィレンツェにあるグッチのアーカイブに収蔵された貴重な逸品などを、京都市京セラ美術館の収蔵品とともに作品同士が呼応するように紹介する、日本ならではのものとなっている。

「Time Maze-時の迷宮」Courtesy of GUCCI
キーカラーの緑と赤が印象的な展示空間。

「Time Maze-時の迷宮」Courtesy of GUCCI
来場者は空間を探索しながら、自由に引き出しを開け閉めし展示品を間近に鑑賞することができる。

最初の展示ルーム「Time Maze-時の迷宮」では、創設者グッチオ・グッチ(Guccio Gucci)から現在のクリエイティブ・ディレクター サバト・デ・サルノ(Sabato de Sarno)の時代まで、タイムラインをビジュアライズして演出。同心円状に配置された3つのセクションに、グッチのカリスマ性とアイデンティティが確立された重要なタイミングやアイテムをマッピングして、ブランドの過去・現在・未来を表現する。

「Zoetrope-乗馬の世界」Courtesy of GUCCI
円形の空間では、映像とともに疾走する馬の蹄の音と乗馬にまつわる言葉を朗読する声が響いている。

「Echoes-クリエイティビティの系譜」Courtesy of GUCCI
年代ごとではなく、カラーやインスピレーションによって並べることで、時を超えてダンスをするかのような、新たなつながりを生み出すことが意図されている。

「Echoes-クリエイティビティの系譜」Courtesy of GUCCI
左から、2003年に発表されたトム・フォードによるキモノドレスと、フリーダ・ジャンニーニが2012年にデザインしたチェーン刺繍を施したフラッパードレス。

「Leisure Legacy-ライフスタイル賛歌」Courtesy of GUCCI
ゴルフ用品が、収蔵品である丹羽阿樹子の「ゴルフ」と対になるように展示されている。

さらに、大型スクリーンに映し出された迫力のある映像によって、グッチと乗馬の世界のつながりを紹介する「Zoetrope-乗馬の世界」、1970年代から現在までのグッチのコレクションをまとったマネキンたちが、ランウェイを歩くモデルのように並べられた「Echoes-クリエイティビティの系譜」、スポーツの世界やライフスタイル、レジャーにまつわる作品と、京都市京セラ美術館のコレクションを並置して展示する「Leisure Legacy-ライフスタイル賛歌」と、遊び心に富んだ空間が繰り広げられる。

「Bamboo-バンブーの世界」 Courtesy of GUCCI
「グッチ バンブー 1947」が展示されたメインウォールでは、竹から生まれ月へと帰っていった美しいかぐや姫の物語を思い起こさせる映像を投影。その上部にあるいくつものアームは波打つような動きで、竹林が風にそよぐ雰囲気をつくり出している。

「Bamboo-バンブーの世界」 Courtesy of GUCCI
彫金家 桂 盛仁、陶芸家 中里博恒、塗師 渡慶次愛、コンテンポラリーアーティスト・画家 八重樫ゆい、写真家 森山大道、画家 横山奈美など、日本の伝統工芸作家やコンテンポラリーアーティストとコラボレーションした「Bamboo 1947:Then and Now」プロジェクト。

そして、ブランドをもっとも象徴するバッグ「グッチ バンブー 1947」が一堂に会する「Bamboo-バンブーの世界」には、グッチの日本上陸60周年を記念するコラボレーションプロジェクト「Bamboo 1947:Then and Now」の一環として、「グッチ バンブー 1947」のヴィンテージバッグを日本の伝統工芸作家やコンテンポラリーアーティストが再解釈した作品をセレクトして展示。京都・西陣織の老舗「HOSOO(細尾)」とのコラボレーション作品も披露される。

「Red Threads-グッチの絆」Courtesy of GUCCI
サバト・デ・サルノは、深みのある赤を「グッチ ロッソ アンコーラ」と名づけ、グッチの新たなシグネチャーカラーとした。

同展を締めくくるのは、「Red Threads-グッチの絆」。日本の「赤い糸」の伝承からインスピレーションを得て、ウェアやアクセサリー、オブジェをレッドで表現。思いがけないものを永遠の美や革新のシンボルへと昇華するグッチのクリエイティビティを示す展示からは、自由なスピリットと無限のエネルギーが体感できるだろう。

マリア・ルイーザ・フリーザは「開催する都市の雰囲気によって変化するエキシビションに取り組むことができるので、グッチの歴史を探求するこのプロジェクトは、毎回独自の視点と新たな発見をもたらしてくれます。京都市京セラ美術館のような歴史と格式のある舞台で、新しい解釈やエレメントを加え、より豊かな体験へと再構築することは、とてもやりがいのある挑戦でした」と日本での展示について語っている。End

「Red Threads-グッチの絆」Courtesy of GUCCI

グッチ日本上陸60周年記念展「GUCCI COSMOS」

会期
2024年10月1日(火)~12月1日(日)
時間
10:00~18:00(最終入場は17:00まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は開館)
会場
京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階/新館 東山キューブ
(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
詳細
https://www.gucci.com/jp/ja/nst/cosmos-exhibition