HACIENDA VISON

ロンドン発のインテリアショップ「ザ・コンランショップ」がデザイン監修を手がけた初のホテル、「HACIENDA VISON（ハシェンダ ヴィソン）」が、2024年8⽉に三重県多気町の商業リゾート施設「VISON（ヴィソン）」内にオープンした。

VISON

2021年開業のVISONは、約119ha（東京ドーム24個分）の広大な敷地に、宿泊施設、産直市場、温浴施設、和食の食材メーカーによる体験型店舗、地域食材を活かした飲食店舗、オーガニック農園など、9つのエリアに約70店舗を構える複合商業施設である。

もっとも緑豊かな農園エリアにあるHACIENDA VISONは、1部屋ごとにコンセプトが異なる6つの客室を用意。ホテル名にある「HACIENDA」はスペイン語で荘園の主の館を意味しており、静寂と自然の美しさに包まれた邸宅のような雰囲気が魅力だ。

101 Abiquiu
20世紀のアメリカを代表する女性画家ジョージア・オキーフが永住の地と定めた、ニューメキシコの小さな村アビキューにある邸にインスパイアされた部屋。ミッドセンチュリーモダンをテーマに、ラウンジチェアや専用の庭を備え、ゆったりと過ごすことができる。

102 Málaga
ピカソの出身地として知られるリゾート地、スペイン・マラガをテーマに、南ヨーロッパの温暖で開放的な雰囲気とスペインのモダンデザインをミックスさせた部屋。ピカソも愛用した曲木のロッキングチェアをはじめ、スペイン人デザイナーやスペイン発のブランドの家具が揃い、本やアートも楽しめる。

201 Perry Green
イギリス・ペリー・グリーンで創作活動を続けた芸術家ヘンリー・ムーアの彫刻のように、抽象的な造形美や手仕事の雰囲気が漂う、シンプルながらも愛着の感じられる部屋。彫刻的で存在感のある、美しい家具やアート作品を楽しみつつ、日常をデトックスできる空間だ。

202 Cap Martin
ル・コルビュジエが晩年、唯一自分と妻のためにデザインした、南フランスにあるカップマルタンの休暇小屋にインスパイアされた部屋。自然豊かな場所で映画鑑賞に浸ってみるなど、のんびりとした時間を過ごせるように、上質な素材感を感じられるシンプルなフォルムの家具が揃う。

203 Dessau
機能から形が導かれるという理念でモダンデザインの礎を築いた、ドイツの美術学校「バウハウス デッサウ」がテーマの部屋。モダンさが際立つ印象的なデザインの家具が揃う部屋で、音楽などを楽しみながら寛ぐことができる。

204 Thames
イギリスを代表するデザイナー、テレンス・コンランをイメージした部屋。テレンスのデザイン哲学「無駄なく、シンプルで、実用的」をベースに、彼が生前に愛用したプロダクトを集めた。シェルフのディスプレイやベッドのある壁面に飾られたアートは、テレンスの孫で、自身もデザイナー、アーティストとして活躍するフェリクス・コンランが手がけている。

各部屋にはダブルベッド2台を備え、最大4名まで宿泊が可能。1階にある2部屋には客室専用のガーデンを完備しており、その奥にはゲストが自由に散策できる共有のガーデンがある。ハーブや野菜を育てるレイズベッド（花壇）や涼しさを感じさせるビオトープ、巨大な自然石、フラワーガーデン、ファイヤーピットなどの心地よい風景が楽しめる。

また、デザインを重視するだけでなく、環境に配慮した素材を用いたアメニティを用意。パジャマやローブ、布団、一部家具など、室内のアイテムにいたるまで、ザ・コンランショップのこだわりを感じることができる。

ロビー

アメニティ

ガーデン

幻想的な山並みと瑞々しい森の木々

そのほか、各部屋にキッチンを併設しており、VISON内のマルシェや目の前の農園で採れた新鮮な食材で料理ができる。朝食は、VISON内にある農園レストラン「NOUNIYELL（ノウニエール）」と東京・麻布のOrby Restaurantのヘッドシェフ・紺野真がコラボレーションした、新鮮なオーガニック野菜を使ったメニューを客室で味わえる。