Images courtesy of Aesop (Photography by Norihito Yamauchi)

スキンケアブランドのイソップ（Aesop）は、2024年9月1日に南青山店を移転オープン。店内空間は、トラフ建築設計事務所と共同でデザインを行った。

レンガ造りの低層ビルの1階角地に佇む新店舗は、商業施設と住居が見事に調和した青山近辺に見られた戦後モダニズムの集合住宅からインスピレーションを得ている。敷地のスケール感や、窓から差し込む豊かな自然光を踏まえ、訪れた人にとって居心地がよく、心安らげる家庭のような空間として構想された。

店内の棚は、1960年代から1970年代にかけて使われていた家庭的な木製家具をイメージ。素材にはあめ色に経年変化していくパイン材を使用し、テーブルやキャビネットはそれぞれが独立した「置き家具」として仕上げられている。エッジの曲線などには丁寧なディテールが施され、丸みを帯びた太い脚は一種の人間らしさを感じさせる。

Images courtesy of Aesop (Photography by Norihito Yamauchi)

足元のサイザル麻カーペットは、商品を選ぶ人の足をやわらかく受け止める。さらに、BGMは音響の角を取って耳に届けるなど、街の喧噪から離れて緊張を和らげ、日常生活の憩いを感じられる配慮がなされている。

アルミニウム製のフレグランスアルモワールでは、オードパルファムをその日の気分に合わせて試せるほか、ヴィンテージの木製椅子に座ってお茶で一息つきながら、スキンケア選びを楽しめるコーナーも設けた。

Images courtesy of Aesop (Photography by Norihito Yamauchi)

また、窓に面するコーナー部分に配置された4つのシンクでは、優しい水の流れとともに、スキンケア、ヘアケア、ボディケア、そしてホーム用イソップ製品に出会える。よりじっくりと探求したいという人には、店内奥の少し窪んだ空間にエンスイートシンクを用意。プライベートなバスルームでくつろいでいるかのように製品を体験できるだろう。