プロダクトデザイナー 石井洋二による
NHK番組の新コーナー「なんかにならないかな」

NHK Eテレのこども番組「あおきいろ」では、同番組のプロデューサー 佐藤正和とプロダクトデザイナー 石井洋二による新コーナー「なんかにならないかな」が2024年9月より放送を開始する。

同コーナーの発想の原点は空き地での遊びにある。子どものころ、誰もが空き地にあるものを見て触って能動的に遊びをつくり出し、その遊びがまた次の遊びを生み出すことで、楽しみを増幅させていった。つまり、ワクワクした遊びを想像することで、ワクワクしたプロセスが生まれ、ワクワクした遊びが得られる。これを「空き地のメンタリティ」と名づけている。

しかし、最近では、提供される遊びの場が増えたことで、遊びを想像する機会が減っている。子どもたちがなかなか体験できない「空き地のメンタリティ」を日常で実感してもらうために、番組では身近にある道具を活用。これを心地よく使えるように自由な想像を働かせれば、機能だけにとどまらない、人の思い入れが詰まったモノができあがる。

「虫採り網」 木の枝を発見。

番組では、道端に落ちている枝のように、日常で使われないものを目にした親子が「なんかにならないかな」と試行錯誤をしながら、生活の道具へと生まれ変わらせる様子を描いている。「虫採り網」「カプセルベース」「ランプシェード」という3つの使われないものを見つけるところからスタートし、それぞれのストーリーが展開する。

さらに、「道具をつくるプロセス」が手触りをもった体験になるように、ルールを設定している。ひとつは、子どもが「自分でもつくれる!」と思えるように、工夫が伝わりやすいプリミティブでシンプルなデザインとすること。もうひとつは、子どもが「自分でもつかいたい!」と憧れるように、子ども向けのデザインにはせず、リアルでワクワクする存在感があるプロダクトとすることである。

「虫採り網」 じっくりと観察。

「虫採り網」 制作過程。

「虫採り網」 できあがり。

このコーナーには、「多くの子どもにも、一緒に番組を見る大人にも、この体験を通して、いつでも考え動き出せるような意識が芽生えてほしい」という思いが込められている。「なんかにならないかな」と考えつづけることで、私たちの日常は少しずつ変わるのかもしれない。End

「虫採り網」 実際に使ってみる。

NHK Eテレ あおきいろ 10分版
「なんかにならないかな」〈虫採り網〉

放送予定
2024年9月4日(水) 朝 8:25~8:35(初回放送)
2024年9月12日(木) 朝 7:00~7:10
2024年9月18日(水) 朝 8:25~8:35
2024年9月26日(木) 朝 7:00~7:10
※〈カプセルベース〉、〈ランプシェード〉も順次放送予定。
制作スタッフ
CP:佐藤正和
PD:飯塚 淳
FD:西川可奈子
音楽:宮内優里
企画/プロダクト制作:石井洋二
詳細
https://www.nhk.or.jp/irotoridori/aokiiro/