シューズメーカーのムーンスターは、2022年にオープンした東京・自由が丘の旗艦店「MOONSTAR JIYUGAOKA」から徒歩2分の場所に、新店舗「MOONSTAR JIYUGAOKA Maple St.」をオープン。これらの店舗では、厳選したアイテムを展示・販売するほか、同社が考えるものづくりの発信拠点として活動を展開する。

ムーンスターは、同社の創業者 倉田雲平による、オーダーメイドを意味する「御誂向御好次第（おあつらえむきおこのみしだい）」という言葉を掲げる。「使われてこそ価値のあるものづくり」を目指し、子ども向けから大人向けまで、多様な暮らしや用途でも心地よく使えるシューズづくりを行っている。

今回オープンするMOONSTAR JIYUGAOKA Maple St.は、建築家のアリソン理恵（一級建築事務所ARA）が建築・設計を手がけ、ディレクションはクリエイティブディレクターの淺井勇樹（FRONTAGE INC.）が担当。「靴がいつどのように使われるのか」「靴を履いてどこに行くのか」といった「使い方の余白」を、店舗の什器の仕様、店内のレイアウト、コミュニケーションに落とし込んだ。

店内は、福岡・久留米工場で製作されたスチールフレームやゴムの巾木とシェード、靴紐で連結したキャンバス地の什器やのれんなどを配置。展示に合わせて、天板や脚の組み替えや素材の取り替えを行う。

さらに、自由度の高いレイアウトを採用することで、靴の展示・販売以外の用途にも対応。中央に配置した床置きの展示什器は、自由に動かすことができる。一方、壁際には、奥行きが深く凹凸の多い店内の形状を生かしたベンチコーナーや展示コーナーを設置した。

また、自由が丘の街と連続する風景を考え、外部から使用できるベンチや植栽を用意。「人、地域、文化のつながりの中で生きるコミュニティブランド」を目指し、イベントやワークショップや展示など、さまざまな活動を行うことにしている。