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2024.08.02 14:06
岐阜県大垣市で菓子製造を営む栄光堂ホールディングスは、大垣菓子の美味しさを発信し、地域の賑わいを創出するための複合施設「船町ベース」をオープン。同施設の設計は、建築家 長坂 常(スキーマ建築計画)が担当した。
松尾芭蕉の「奥の細道」の終着点としても知られる交通の要衝・大垣。古くから豊富な地下水を生かした菓子づくりが行われ、市中心部にある船町は、江戸時代より人・もの・文化の行き交う地として栄えた。
「船町ベース」は、かつてのような賑わう場所を提供したいという思いからスタート。「隣接する公園を延長したようなカフェ併設の和菓子屋」というコンセプトのもと、川辺や公園を散歩していると、いつの間にか和菓子屋にたどり着き、餡を練る様子や饅頭をふかす匂いに引き込まれていくイメージで構想された。
その一方で、和菓子屋のスペースに対して、レストランが大きくなりすぎるおそれがあったため、建物の棟を厨房と客席に分割。間を置いた3つの棟の上を大きな屋根が覆う構成とした。
さらに、庇を大きくのばして、内と外の連続性を生み出すことで、屋内にいるかのような居心地のよい場所を屋外にも創出。また、内と外をつなぐきっかけとなるように、高さをもたせた基礎を、和菓子を受け取るカウンター、一息つくためのベンチ、和菓子づくりに使われる井戸として活用している。
施設内では、大垣で江戸末期に創業し、2019年に店を閉じた老舗和菓子屋「金蝶堂總本店」を復活させた「シン・金蝶堂」や、同市のソウルフード「オダマキ」や地元の食材でできたメニューを提供するカフェを展開する。
船町ベース
- 設計
- 長坂 常/スキーマ建築計画
- 所在地
- 岐阜県大垣市船町2丁目1-1
- オープン
- 2024年3月
- 延床面積
- 326.17m²
- 席数
- 店内 36席、店外 16席
- 定休日
- 毎週木曜日・年末年始
- 営業時間
- 船町カフェ 9:00~18:00
- 詳細
- https://funamachi-base.cafe/