シンガポール・チャンギ国際空港に
旅行者を癒す「ガーデンシティ」が登場

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

シンガポールの玄関口であるチャンギ国際空港のターミナル2内に、緑豊かな「ガーデンシティ」が登場。設計を手がけたのは、ショッピングモールの設計で豊富な経験をもつ、パリの建築設計事務所 BOIFFILS Architectures。ビジネス客が忙しく行き交う従来のターミナルビルとは違った、旅行者に静けさや快適さといった体験を提供するデザインを目指した。

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

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Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

同事務所を率いるバージル・ボワフィス(Basile Boiffils)は、「自然に触れることで人々に喜びや楽しさが生まれたり、感覚を刺激したりする、そんな建築を目指しました」と語るように、植生をはじめ、地形や地質、鉱物、ため池、小川や滝、水面の反射といった自然の環境をヒントに、建築と景観が曖昧になる空間を構築している。

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

壁面にはアースカラーを採用して、空港の無機質な印象を低減。床には、上空から見た地球の陸と海を思わせるカラフルなじゅうたんを敷き、1階の天井を突き抜ける背の高い植物を配置することで、開放的なアトリウムを形成している。また、複雑な形状の天井は、スプリンクラー、防犯カメラ、照明などを隠し、落ち着いた雰囲気を演出した。

さらに、カナダ発のデジタルアート集団「Moment Factory」と共同で、自然とテクノロジーが融合した2つのマルチメディア・インスタレーションを設置。高さ14mのデジタルディスプレイ「The Wonderfall」では、迫力のある滝の情景が楽しめる。

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

Photo by Changi Airport Group / Fabian Ong

Photo by Moment Factory

加えて、日の出から日没までの移り変わりや、天気をリアルタイムで再現する巨大なLEDスクリーンを天井に配置。鳥や虫といった現地の生物の鳴き声を自動で生成し、聴覚にも訴える。植物学者パトリック・ブラン(Patrick Blanc)が手がけた植生も含め、空港の外に出られない旅行者のために、熱帯の国シンガポールをターミナル全体で表現している。End