写真家 瀧本幹也、約10年ぶりの写真集
「LUMIÈRE」「PRIÈRE」

写真家の瀧本幹也は、約10年ぶりとなる2つの写真集「LUMIÈRE(リュミエール)」と「PRIÈRE(プリエール)」を2024年10月初旬に発売する。

「LUMIÈRE」シリーズは、パンデミックが始まった2020年ごろ、河原に咲き誇る小さな菜の花に、辺境の地で感じた地球の惑星としての力強い生命力と自然の力を感じた瀧本が、そのときに芽生えた感情を写真に留めておきたいと、野の草花の撮影したもの。それは、大人数で行われるCM撮影や広告などの仕事が軒並みストップし、世界各地に赴いて大型の機材で撮影するようなこれまでの作品づくりができなくなったことがきっかけとなった。3年をかけた身近な草花に息づく「小宇宙」の探求に、フランス語で「光」を意味する「LUMIÈRE」と名づけられた。

「LUMIÈRE」より

また、2020年秋に参加した京都の国際写真祭で、仏教の言葉「円融」(すべての事物が完全に溶け合い、互いに妨げないこと)を知った瀧本は、数百年前あるいは数千年前から現在まで続く時間の流れに自らも連なっていることを感じ、静けさに満ちたさまざまな寺院建築や庭園を訪問。そこで撮影したものを「PRIÈRE」シリーズ(フランス語で「祈り」)にまとめた。

「PRIÈRE」より

装丁は須山悠里が手がけ、用紙や印刷にも徹底的にこだわった。本文用紙には印刷適性と紙の風合いという相反する性質を両立させる高級印刷用紙「ヴァンヌーボ」を全ページに採用。布張りの表紙には、題簽貼り(だいせん:題名などを記して書籍の表紙に貼る細長い紙片・布片)、箔押しを施し、一般的な4色にグロスニスを加えた5色で印刷することで、作品の色合いを可能な限り再現した。

※題簽(だいせん):題名などを記して書籍の表紙に貼る細長い紙片・布片

パンデミックを経て完成した「LUMIÈRE」と「PRIÈRE」は、私たちに生命の循環や、生きものと地球という惑星との共存を改めて感じさせてくれる写真集である。End

LUMIÈRE

著者
瀧本幹也
寄稿
森田真生(独立研究者)
装丁
須山悠里
編集
森かおる(青幻舎)
判型
A4変形/上製本/248頁/165点
定価
13,200円(本体12,000 円)
発行所
MT Gallery
発売元
株式会社青幻舎
発売
2024年8月下旬 MT Galleryより先行発売
2024年10月初旬 青幻舎より一般発売
詳細
https://mtgallery.jp/products/lumiere

PRIÈRE

著者
瀧本幹也
寄稿
安藤礼二(文芸評論家)
装丁
須山悠里
編集
森かおる(青幻舎)
判型
A4変形/上製本/248頁/170点
定価
13,200円(本体12,000 円)
発行所
MT Gallery
発売元
株式会社青幻舎
発売
2024年8月下旬 MT Galleryより先行発売
2024年10月初旬 青幻舎より一般発売
詳細
https://mtgallery.jp/products/priere