Apple Storeがクアラルンプールで開業
Foster + Partnersが「金融地区のシンボル」を設計

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マレーシアの首都クアラルンプールにて、同国初のApple直営店「Apple The Exchange TRX」が2024年6月22日にオープンした。国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」の中心に位置する同店は、Apple製品の販売だけでなく、160名超のスタッフによるサポート、さらには地元クリエイターとの交流の機会を提供する。

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ロンドンの建築設計事務所 Foster + Partnersが設計を手がけた同店は、地上1階・地下2階の3階建てで、壁面の天然石をはじめ、ステンレス製の柱、テラゾ床、木造の天井など、洗練された素材をふんだんに使用し、明るい雰囲気を演出している。

フロア間は石英とガラスでできた階段とガラス張りのエレベーターで移動し、地上階には周囲の公園とシームレスにつながる展望デッキを設置。地下1階の「フォーラム」は空中に浮かんだようなデザインとなっている。商品用の展示台や受け取りカウンターなどがある地下2階は、隣接するショッピングモールにつながる。

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この店舗でひときわ目につくのは、地区全体のシンボルにもなっている屋根である。26.5mx26.5mのガラス張りの屋根は庇を層状に重ねており、横からは丸みを帯びたドーム型に、真上からは正方形に見える。

また、マレーシアの熱帯気候に対応するため、庇の重なりが太陽光を遮るように角度を計算して設置された。上階では庇のあいだから日差しがふんだんに差し込む一方で、下の階から見上げると屋根が閉じているという設計だ。

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最も低い位置にある庇は外側に張り出しているため、日中はガラス張りのファサードを太陽光から保護するとともに、店舗の周囲に心地よい日陰をつくり出す。夜には温かい光を放つこの屋根は、周囲に広がる緑豊かな公園や芝生とも調和し、店舗との視覚的・空間的なつながりを生み出している。End