NEWS | インテリア / 建築
2024.07.01 11:17
宿泊施設「NI HAO Hotel(你好酒店)」が、2024年6月に中国南西部の四川省成都市でオープンした。設計を手がけたのは、上海を拠点にするデザインオフィス Vermilion Zhou Design Group。公共スペースや商業施設、オフィス、ホテル、レストラン、住宅など、さまざまなジャンルのインテリアデザインを得意としている。
私たちがよく耳にする中国語「NI HAO」は、ふだんの挨拶以上の意味をもつ言葉だとされる。すなわち、友情や礼儀正しさ、寛大さといった、中国の文化には欠かせない姿勢が含まれているという。また、「NI HAO」は世界中の人々が理解するインターナショナルな中国語のひとつであり、世界と中国をつなぐコミュニケーションの端緒にもなっている。あらゆる交流の出発点であり、人々を温かく迎え入れる中国文化の玄関口といえる。
成都市錦江区の賑やかな繁華街にひっそりと佇む「NI HAO Hotel」の名称には、同国の伝統を重んじるとともに、活気に満ちた、開放的なホテルの雰囲気をゲストに体験してほしいという意図が込められている。
Vermilion Zhou Design Groupによる空間デザインの随所に見られるのは、中国の伝統的なシンボル「ひょうたん」である。旅行者の幸福や幸運、安全を願うモチーフであるほか、その形は数字の「8」に似ているため、繁栄の象徴でもあり、なおかつ「無限(∞)」を表している。
共用部や客室は無駄のないレイアウトで、ゲストの多様なニーズに対応する。社交的なゲストにも、静かなひとときを楽しみたいゲストにも、ホテルのあちこちで思いがけない交流が生まれ、温かく心のこもった「NI HAO」が交わされることだろう。