3Dプリント技術で「デルフトブルー」を再解釈した
オランダ Studio RAPによる「New Delft Blue」

Photo by Riccardo De Vecchi

オランダの南西部に位置するデルフトは、鮮やかな青い彩色によって「デルフトブルー」とも呼ばれるデルフト焼の産地として知られている。近年、この街では約24ヘクタールの敷地におよそ2,100戸の住宅をはじめ、公園や多目的施設などを整備する再開発プロジェクト「ニューデルフト(Nieuw Delft)」が進められている。

Photo by Riccardo De Vecchi

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このエリアの一角に誕生したのが「Poort Meesters」と呼ばれる集合住宅群だ。中央に広がる緑豊かな中庭に入るための階段状になった幅約4m、高さ約8m、奥行き約12mの大きな門が設置され、その内部には「New Delft Blue」として、伝統のデルフト焼を再解釈した壮麗な装飾が施された。このデザインを手がけたのは、ロッテルダムの建築オフィス Studio RAP。同オフィスが得意とする3Dプリント技術と陶器職人の釉薬技術をかけ合わせ、建築におけるセラミックの新しい可能性を追求した。

Photo by Riccardo De Vecchi

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2つの門を覆うのは、3Dプリントされた約3,000枚のセラミックタイル。アルゴリズムを活用することで、それぞれのタイルをアーチ状の門の構造に合わせ、複雑な起伏をもつ立体的な形状に仕上げた。

Photo by Riccardo De Vecchi

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また、あえて流れやすい釉薬を塗布することで、タイルの膨らんだ部分は明るく、くぼんだ部分は濃いブルーになるような、美しいグラデーションが生まれた。深みのあるブルーは、デルフト焼と周囲を流れる運河をイメージしたもので、建物に使われているアースカラーのレンガとの見事なコントラストを生み出している。End

Photo by Studio RAP

Photo by Studio RAP

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