アーティストのサンダー・ワッシンク、企画展「V2.0」開催
4名のクリエイターとユニークな椅子を制作

東京・渋谷の(PLACE)by methodにて、日本とオランダを拠点に活動するアーティスト サンダー・ワッシンク(Sander Wassink)による企画展「V2.0」が2024年7月6日(土)まで開催中だ。

ワッシンクは、2016年にオランダの家具ブランド「ギスペン(Gispen)」の椅子をアフリカ・モロッコで生産し、現地のものづくりの風土や影響を取り入れる実験を行った。

その後、ホテルのインテリアデザインを手がけるなかで、再生素材を使用したコスト効率の高いフラットパック式デザインの必要性を再考。その結果、アルミニウムの構造を基にした部分をデザインし、それを活用して再利用素材を組み合わせた構造的かつ機能的な椅子が誕生した。このアプローチにより、デザインと生産工程が簡素化され、多様な素材の統合が容易になり、木材の切断や再塗装の必要性が減少したため、労働集約的な工程も削減され、費用対効果の向上につながった。

そこで今回はワッシンクがデザインしたアルミニウムパーツを基に、他のデザイナーが各自のアイデアを加えて椅子を仕上げるという試みを展示する。参加作家は、長坂 常(スキーマ建築計画)、オランダのプロダクトデザイナー ヨブ・ヴァン・デン・ベルグ(Job van den Berg)、スペインのアーティスト ルーカス・ムニョス(Lucas Muñoz)、同展のキュレーションを担当する佐久間 磨(Rondade)。彼らの作品には、持続可能性やコラボレーション、素材の特性、工業プロセス、構成、モノづくりに対する喜びなど、それぞれの考えや多様な視点が反映されている。

ワッシンクはこのプロジェクトをとおして、コンセプトを理論上のものから、実際の商業プロジェクトでも影響力のあるレベルまで引き上げることを目指している。

初日には、長坂 常とワッシンクによるトークイベントも開催。同プロジェクトがもつ可能性やものづくりの方法についてトークを展開する。End

サンダー・ワッシンク企画展「V2.0」

会期
2024年6月21日(金)~7月6日(土)
12:00~19:00 日曜休館
会場
(PLACE)by method(東京都渋谷区東1-3-1 カミニート14号)
詳細
https://placebymethod.com/pages/v2-0

オープニングトーク

日時
2024年6月21日(金) 19:30~
登壇者
長坂常、サンダー・ワッシンク