馬岩松/MAD Architectsが設計を手がけた
中国・北京の「中関村国際イノベーションセンター」

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IT産業や研究所が多く集まることから「中国のシリコンバレー」とも呼ばれる、北京の「中関村(Zhongguancun、ちゅうかんそん)」に、国際会議場「中関村国際イノベーションセンター(ZGC International Innovation Center)」が2024年に完成。ここでは毎年「中関村フォーラム(ZGC Forum)」という科学技術イノベーション会議が開催されている。

設計は、建築家の馬岩松(Ma Yansong、マー・ヤンソン)が率いる北京の建築設計事務所 MAD Architectsが手がけた。

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延べ床面積約65,000平米の広大な施設である同センターは、人と都市、環境が緊密なつながりを生み出すことをコンセプトに、周囲の公園や丘から連続して建築、樹木、庭園、遊歩道などを配置。都市の景観に溶け込む建物の屋上には、誰でもアクセスできる公共スペースとして、約17,000平米の大きな庭園が広がっている。

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柔らかいカーブを描くクローバー型の片持ち屋根は、日差しや雨風をしのぐ庇の役割に加え、人々に交流を促す場を形成する。この屋根は2,769枚ものフッ素樹脂コーティングされた特殊なアルミパネルで構成され、多様なパターンに配置。雨水の収集機能も備えており、夜にはルーバーに隠して配置された照明の光が、近隣の車の流れとシンクロする。

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屋根の下には、柔らかい形状に沿った軽やかで流れるような透明のファサードが現れる。目立たないようにデザインされたフレームシステムと大型のガラスパネルにより、屋内と屋外のスムーズな往来が促され、周囲とのシームレスなつながりを体感できる。

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屋内には自然光が差し込むように、天井にETFEの膜材を使用。内装は、シンプルかつオープンで軽やかな雰囲気をつくり出すために、壁面に幾重にも流れる線状の照明が埋め込まれている。End