公益財団法人 日本デザイン振興会は、各都道府県や企業、行政などのデザインに関する多様な取り組みを網羅的に取りまとめたレポート「デザイン白書2024（WHITE PAPER ON DESIGN 2024）」を2024年6月4日（火）に公開した。ページ数は350ページで、公式サイトからPDF版をダウンロードできる。

経済産業省と特許庁が日本の産業競争力の強化に向けて「『デザイン経営』宣言」を発表し、デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する「デザイン経営」の推進を提言したのは2018年のことである。その後、大企業だけでなく、中小企業、スタートアップ、官公庁などにおいて、デザインの活用が図られてきた。

これを受けて、経済産業省デザイン政策室は、デザインの活用をさらに拡大するために、「これからのデザイン政策を考える研究会」を2023年に開催。そこでは、日本のデザイン振興における大きな課題として、「国内の最新のデザイン動向を網羅的に取りまとめ、デザイン活用の効果等を継続的に調査し、戦略的に社会に対して発信する機能」の不在が指摘された。

この機能を強化するべく制作された同白書には、三菱総合研究所 DESIGN×CREATIVE TEAM、AXIS、一般社団法人デザインシップをはじめ、200名を超える有識者が参加。「WDO 世界デザイン会議 東京2023」といった国際会議から、47都道府県の地域のデザインに関する多様な取り組み、さらには企業や行政などが手がける最新事例まで、幅広く紹介しているのが特徴だ。

また、多数のビジュアルやグラフを交えて、デザインへ投資することの意義や効果を多様な視点から取りまとめている。日本のデザイン動向を包括的に把握したい人や、これからの時代のデザイン活用を検討する人にとっては指針となる一冊である。