Courtesy of CHANEL, Photo by Yasutomo Ebisu

香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では、ヘア＆メイクアップアーティストの加茂克也（かも・かつや、1965-2020）の活動を紹介する企画展「加茂克也 KAMO HEAD」が2024年6月30日（日）から9月23日（月・祝）まで開催される。

加茂克也

世界の名だたるトップブランドのファッションショーや、ファッション誌の写真のヘアメイクを手がけるなど、国内外のファッションシーンで活躍した加茂克也。モデルの顔を覆い隠したり、紙でつくった鋲やバラ、砕いた鏡、大量の鳥の羽を使用するなど、前衛的でありながら、気品と造形美を併せ持つ同氏のヘアメイクデザインは、発表のたびに注目を集めてきた。なかでも、彫刻のような普遍的な美しさをもつ加茂のヘッドピースは、ファッションであるとともにアートピースとしても強い存在感を放っている。

同展では、自作のヘッドピースを厳選した作品集「KAMO HEAD」（2021）に掲載されたものを中心に約200点を展示。国内外のファッション誌の記事や広告、ヘアメイクの仕事を紹介し、同氏の活動の全貌を明らかにする。

Courtesy of ANREALAGE, Photo by Yasutomo Ebisu

Courtesy of MINTDESIGNS, Photo by Yasutomo Ebisu

Courtesy of JUNYA WATANABE, Photo by Yasutomo Ebisu

Courtesy of ANREALAGE, Photo by Yasutomo Ebisu

Courtesy of UNDERCOVER, Photo by Yasutomo Ebisu

また、加茂がプライベートでつくりつづけた立体作品約200点も公開。木箱のなかに昆虫や植物、卵の殻、雑貨といった身近なものを配置した作品からは、加茂の美意識やシュルレアリスム的な表現、優れた造形を瞬時に生み出すセンス、創作技術の高さを知ることができる。

「KAMO HEAD 加茂克也展」（表参道ヒルズ, 2023年）での立体作品展示風景　撮影： 篠田英美、提供：森ビル株式会社

そのほか、加茂が雑誌などの印刷物から切り抜き、50冊を超えるスクラップブックにコラージュしたイメージ、ポラロイドブックに残された創作の過程やマテリアルの記録など、創作活動のアイデアソースとなった資料もあわせて紹介。6月30日にはオープニング・イベントとして、加茂が長年ヘッドピースを手がけてきたANREALAGE（アンリアレイジ）によるファッションショーを行う。