「和傘」の潜在的な美を探求した
資生堂クリエイティブのウィンドウアート「在る美」

資生堂のクリエイティブを手がける「資生堂クリエイティブ」は、第103回ニューヨークADC賞(ADC 103rd Annual Awards)にて、同社が2023年10~12月に公開した東京銀座資生堂ビルのウィンドウアート「在る美」がブロンズを受賞した。

資生堂クリエイティブは、1916年に資生堂意匠部としてスタート。長らく資生堂本社のクリエイティブ部門であったが、2022年1月に資生堂100パーセント出資の新会社として発足した。同社の強みであるプロダクトデザインを軸として、近年のデジタル化による生活者行動・購買行動の変化やデジタル広告コミュニケーションの多様化など、複雑化する社会における新しい「美の体験」を提案している。

今回受賞した「在る美」では、伝統工芸のなかに息づく日本古来の美意識をテーマとして、「和傘」をモチーフに採用。京都の職人とともに、ツリーとリースをつくり上げた。本来は傘の内側にあり、使う者にしか見えない「竹骨と飾り糸」という要素に着目し、これらをあえて露出させるデザインとすることで、そこに在る美の探求と、新たな美の定義に取り組んできた資生堂の企業姿勢を表現した。

同作品のアートディレクターを務めた金内幸裕は、「資生堂は、人が潜在的にもつ美の探求、そして新たな美の定義に取り組んできた企業です。その取り組みの対象を伝統工芸の和傘に向け、日本の伝統の継承と革新を行いたいという想いからデザインを行いました。デザインだけでなく、背景にあるストーリーも含めて評価されたことをとても嬉しく思います」とコメントしている。End