現代に必要な「控えめな創造力」を探る
「PROGETTAZIONE」展が開催

東京・六本木の東京ミッドタウン・デザインハブでは、第107回企画展「PROGETTAZIONE(プロジェッタツィオーネ)イタリアから日本へ 明日を耕す控えめな創造力」が2024年3月22日(金)から5月6日(月・祝)まで開催。

開催期間中は展示で紹介する各地のデザイナーやクリエイターらを招いたトーク・ワークショップ(いずれも要申込)なども行われる。

プロジェッタツィオーネは、イタリア語で「プロジェクトを考えて実践すること」を意味する。英語の「Design」がまだ一般的でなかった第二次大戦後のイタリアで育まれた、デザインの哲学や方法論を指す言葉だ。その取り組みは、消費主義社会において企業の利益を追求するためのデザインとは異なる、社会性のある創造と市民全般への教育を使命とする倫理性に富んだものであった。

同展では、ブルーノ・ムナーリ、アキッレ・カスティリオーニ、エンツォ・マーリ、アンジェロ・マンジャロッティといったプロジェッタツィオーネの実践者たちの考え方を出発点に、それを日本に移植させると同時に独自に進化させていった例として、複数のデザイナーや地域、チームを取り上げる。

第一部は、1990年代のイタリアでカスティリオーニやマーリらから直接学び、それを故郷の長崎県小浜町にて忠実に移植し開花させたデザイナー・城谷耕生(1968-2020)の仕事と暮らしをとおして、プロジェッタツィオーネの核心にある「控えめな創造力」を紐解く。

城谷耕生

第2部は、異なる時代と場所であるがプロジェッタツィオーネと相通じる活動の実践例を紹介。愛知県常滑市(土を基礎とし領域を超えてつながる共同体「スベル」)、奈良県生駒市(駄菓子屋「チロル堂」)、石川県奥能登(土地に根ざした学びの場「まるやま組」と和菓子店「の菓子」)、福井県福井市(小さなデザインの教室「XSCHOOL」)の4組にフォーカスする。

こうした活動はいずれも、地域に生きる人間や自然を中心に据えて創造力を発揮してきたものばかりである。これらの活動記録を通じて、私たちが生きる今の時代に求められる創造力の在り方について、理解を深めることができるだろう。End

東京ミッドタウン・デザインハブ 第107回企画展
PROGETTAZIONE(プロジェッタツィオーネ)
イタリアから日本へ 明日を耕す控えめな創造力

会期
2024年3月22日(金)~5月6日(月・祝)
11:00~19:00 ※会期中無休・入場無料
会場
東京ミッドタウン・デザインハブ
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F)
詳細
https://www.designhub.jp/exhibitions/progettazione2024