クウェート国、大阪・関西万博パビリオンのデザインを公開

弊誌Webマガジン「AXIS」では、2023年12月に大阪・関西万博のサウジアラビア・パビリオンを紹介したが、その後も参加国の個性あふれるパビリオンが発表されている。3月5日にはクウェート国が都内で発表会を開き、建築デザインを公開した。

パビリオンのファサード部分。画像提供LAVA

会場でベールを脱いだ建築模型

クウェートがなぜEXPOに参加するのかということについては、「日本との関係をより深めるため」と明快な理由が説明された。2025年に開催される大阪・関西万博には、160カ国が参加する予定だが、それを遡る55年前、大阪万博のときの参加国は77カ国のみ。クウェートはその1970年大阪万博にも参加している。61年に英国から独立してまだ間もない頃だ。今回は「先見の明かり」をテーマに、こうしたクウェートの過去、現在、未来を体験してもらうよう、今準備を急いでいる最中だと言う。

クウェート国パビリオンは、敷地面積3503㎡、建築面積2164㎡という参加パビリオンのなかでも最大規模のひとつとなる。設計はドイツ・ベルリンを拠点としている建築事務所LAVA(Laboratory for Visionary Architecture)が、またNUSSLIグループが監修するほか、insglück、徳岡設計や麦島建設など複数の企業が協業して進められている。

上は昼間、下はライトアップされた夜間のファサード。画像提供LAVA

パビリオン正面の印象的な大きな庇は、鳥の翼が羽ばたく様子をイメージしていて、ライトアップによって昼と夜で変化し人の目を集めるが、館内は砂漠、水、岩、空などから想起した落ち着いた素材や色のインテリアになる予定だ。

また万博のパビリオンといえば、入場するまでの長蛇の列がつきものだが、ここでは来場者が並ぶ位置や動線に気を配り、そこで待つ人々を退屈させない工夫が凝らされているという。

クウェートは産油国の砂漠の国としてのイメージが強いが、アラビア湾に面したこの国では、真珠採取によって交易の基礎ができたという。併設のレストランのメニューにある伝統料理は「1度食べたら、また明日も来て食べたくなる」ほどの美味しさだそうで、食のアピールにも相当熱が入っている。独特の芳香があるコーヒーをはじめ、パビリオンをひとまわりするだけで、今まで知らなかったクウェートを体験することができそうだ。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、2025年4月13日から10月13日まで184日間、大阪夢洲(ゆめしま)で開催される。(文/AXIS 辻村亮子)End

画像提供LAVA