「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024」4月開催。12回目のテーマは「SOURCE」

Claudia Andujar,Collective house near the Catholic mission on the Catrimani Rive, Roraima state, 1976. Mineral pigment print, from infrared film. (68.5 x 102.5 cm). Instituto Moreira Salles Collection

本誌「AXIS」223号(2023年6月号)でも紹介した写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024」が、今年も4月13日(土)から5月12日(日)にわたって開催される。歴史的建造物やモダンな近現代建築といった京都ならではの市内12の会場を舞台に、生命、コミュニティ、先住民族、格差社会、地球温暖化など多様な視点から、国内外の重要作品や貴重な写真コレクションを披露する。また開催される13の展覧会のほか「キョウトフォニー」というミュージックフェスティバルも企画されている。

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024のテーマは「SOURCE」。「SOURCE=源」とは、すべてのものの起源。何かが発見され、生み出され、創造される空間である。2024年のKYOTOGRAPHIEは、こうした「源」を探究する。出展予定のおもな作品を見てみよう。

トップの風景写真は、スイス出身のクラウディア・アンドゥハルによる作品。彼女はホロコーストで父を亡くし、現在ブラジルをベースに活躍している92歳の写真家だ。50年にわたって、ブラジルのアマゾンに住む先住民グループのヤノマミ族とともに活動をしてきた。京都文化博物館別館で、写真のほかヤノマミのシャーマンの言葉や、ドローイング、映像作品などが発表される。

Kikuji Kawada, Helio-spot and a Helicopter, Tokyo, 1990, From the series The Last Cosmology © Kikuji Kawada, Courtesy PGI”

日本の作家、川田喜久治も90歳を超えて尚、創作意欲が衰えない。最近ではインスタグラムを中心に日々作品をアップしている。川田の作品は、京都市京セラ美術館本館南回廊で展示される。

Viviane Sassen, Eudocimus Ruber, from the series Of Mud and Lotus, 2017 © Viviane Sassen and Stevenson (Johannesburg / Cape Town / Amsterdam)

オランダのヴィヴィアン・サッセンは、京都新聞ビルの地下という印刷工場跡地での展示を予定。広い空間に色が舞う。

Lucien Clergue, Draga in Polka Dot Dress, Saintes Maries de la Mer 1957 © Atelier Lucien Clergue

没後10年となるルシアン・クレイグ。彼の作品には、ロマのコミュニティーを題材にしたものが多い。この機会にジブシーバンドも来日し、写真と音楽両面で、「ジブシー・テンポ」を味わうことができる。

©︎ Yoriyas (Yassine Alaoui Ismaili)

ヨリヤス(ヤシン・アラウイ・イスマイリ)は、モロッコのブレイクダンサーだった。カサブランカのストリートを撮影した作品からは、動きやリズム、構成の妙を感じる。彼は、去年11月にアーティスト・イン・レジデンスとして京都に招聘され数週間を過ごしている。そのときの京都の街で撮影した作品も発表される予定だ。

このほかにもヴァラエティーに富んだ作家・作品が、春の京都に集まり展開される。行って見る価値のある写真祭となりそうだ。End

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024

会期
2024年4月13日(土)~5月12日(日)
会場
京都市内各所
詳細
https://www.kyotographie.jp/