アートブックに特化した大型ブックフェア TOKYO ART BOOK FAIR 2023（TABF）が、2023年11月23日（木・祝）から11月26日（日）まで東京都江東区の東京都現代美術館で開催される。

アートブックフェアとは、個人や企業がブースを持ち、来場者と直接交流しながら書籍の売買を行うイベントである。今年は国内外から個性的なアートブックを制作する出版社、ギャラリー、アーティストなど約300組が集結し、本の魅力を紹介する。

「北欧映画祭 ～Nordic perspective～」

特定の国や地域にフォーカスし、その出版文化を紹介する企画「ゲストカントリー」では、北欧5カ国（ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランド）を特集。また、初の試みとして、近隣のミニシアター「Stranger」で、北欧5カ国のドキュメンタリー映画9作品を上映し、アート、デザイン、音楽、環境問題などのテーマを掘り下げる。

「清里現代美術館 アーカイヴプロジェクト展」

TABFの企画展としては3つのプログラムを展開。「清里現代美術館 アーカイヴプロジェクト展」では、ヨーゼフ・ボイス（彫刻家）、アーノルフ・ライナー（画家）、フルクサス（作曲家）を中心とした現代美術作品を収集し、2014年に閉館した山梨県清里の個人美術館・清里現代美術館旧蔵のコレクションの一部を展示する。

Thomas Kong “ARTS FOR SALE”

「Thomas Kong “ARTS FOR SALE”」では、北朝鮮生まれでシカゴを拠点に活動したアーティストのトーマス・コン（1950-2023）の貴重なアーカイブの一部を公開する。コンビニエンスストアオーナーだった彼は、店内を飾りつけるために60歳を過ぎてから制作を開始。菓子や煙草の空き箱、包み紙、新聞や雑誌の切り抜き、ビニール袋、不要になったダンボールなど、身近にあるものを使ったコラージュ作品をつくりだした。

「MULTIPLES, INC. 1965-1992」

「MULTIPLES, INC. 1965-1992」では、Multiples, Inc.の代表的なシリーズとして知られている、ボックス・エディション「Artists & Photographs（1970）」を展示。そのほかにも、2021年にNYのMarian Goodman Galleryで開催された展覧会「MULTIPLES, INC. 1965-1992」に伴い再版された『Artists & Photographs』の一部マルチプルと同展カタログの日本語版を販売する。

「花椿 Tribute to the Archive」

NOT FAR / TOKYO DESIGN STUDIO New Balance

BAUM TREEDAY「樹木がもたらす、あたらしい感性」

また、1937年に創刊された資生堂の企業文化誌「花椿」、ファッションブランドのTOKYO DESIGN STUDIO New Balanceがプロデュースするフリーマガジン「NOT FAR」、スキン＆マインドブランド「BAUM」がTABFのために制作する小冊子「Trees: Five Perspectives」の特別ブースがそれぞれ設置される。

そのほか、ゲストトークショーや子ども向けのワークショップ、作家によるサイン会、ライブパフォーマンスなどの多様なプログラムにより、アートブックの現在を体験することができる。