柳 宗理が手がけたケトルの全工程モデルを公開!
「工場の原理:燕三条地域における日本デザインの礎」展が開催中

Photos by Jingu Ooki

エッセンにあるレッドドットデザイン博物館で、新潟・燕三条地域の伝統的な工場でつくられた刃物や工具などの金属製品にフォーカスした展覧会「工場の原理:燕三条地域における日本デザインの礎」が2024年1月21日(日)まで開催されている。

燕三条では何世紀にもわたり、鍛冶職人や小規模金属加工業者をはじめとする異なる分野の専門家が知識や技術を持ち寄り、新しい製品を生み出してきた。シンプルさや機能性、素材の適切な使用、耐久性などを備えており、日本国内だけでなく世界の金属製品の基準にもなっている。

同展では、燕三条の工房と密接な協力関係をもつデンマークのデザイナー、カイ・ボイスン(Kay Bojesen)とオーレ・パルスビー(Ole Palsby)のカトラリーや、タダフサの手打ち和包丁、諏訪田鍛冶の盆栽用特殊刃物、玉川堂の銅製急須などを紹介。

また、半世紀以上にわたって同じ工房で生産され、現在でもベストセラーとして愛されつづける、デザイナーの柳 宗理(1915-2011)が手がけたケトルの全工程モデルが初公開された。金属製品と製造工程を撮影したビデオも上映し、燕三条地域の冶金産業の全貌に迫る。

燕三条で2013年より開催されている工場見学のイベント「燕三条 工場の祭典」の展示デザインは、昨年のレッドドット賞「ブランド&コミュニケーションデザイン2022」でグランプリを受賞している。今回のドイツでの展覧会でも、燕三条地域地場産業振興センター特別委員会「KOUBA」が企画・キュレーションを担当。クリエイティブ・ユニット「SPREAD」が展覧会タイトルのグラフィックを手がけている。End

工場の原理:燕三条地域における日本デザインの礎

会期
2023年10月20日(金)~2024年1月21日(日)
会場
レッドドットデザイン博物館(Welterbe Zollverein Areal A [Schacht XII], Kesselhaus [A7] Gelsenkirchener Straße 181 45309 Essen, Germany)
詳細
https://www.red-dot-design-museum.org/essen/exhibitions/detail/684/the-kouba-principle-the-fundamentals-of-japanese-design-in-the-tsubame-sanjo-region